詩一

とても丁寧に描かれた世界が、本当に実在しているように思えました。 過激なアクションや陰謀渦巻く知略などは一切なく、主人公と義弟と友人の関係や芋の美味さを語りつくすような内容です。 …続きを読む

高校生のころ、主人公倉橋はクラスメイトの福山から聖水を買います。これはおそらく聖水ではないだろうと思いながらも、高校生にとっては高額な１万円で。 しかしその後、倉橋は聖水の効果によ…続きを読む

これは、煙の話。 滑り台の下のトンネルというシーンしかないのに、学校生活やその前後の人生などに思いを馳せられる。想像力をフルに呼び覚ましてくれる、まさに小説だと思いました。 そ…続きを読む

物語は『私』の遺書（らしきもの）によって進行していきます。 遺書（らしきもの）ですから、希死念慮が綴られているわけです。 私はよく「死にたい」と言われるのでわかるのですが、「死にた…続きを読む

どんな仕事にも良いことや悪いことはあるのですが、このエッセイはいわゆる悪いことに対してもエンタメとして誠実な表現をしています。 普通なら愚痴っぽくなるところもコメディタッチで爽やか…続きを読む

いやww
頼む相手と規模がwww

1200文字程度の短い作品。隙間時間に是非。

最終話で天地がひっくり返りました。
真実にゾクッとして、それまでの会話や描写を思い出してゾクゾクッとして、もう一度初めに戻って読みたくなる。そんな大どんでん返しのストーリーでした。

……え？

主人公は配信者。かなり不人気の。 自分の近況を視聴者に話しても、レスポンスがないと寂しい。 視聴者がまったく来ないルーム。ふと一人の視聴者が来室する。意気揚々と話しかけるがコメント…続きを読む

増え続ける詐欺被害者と日々巧妙になる詐欺の手口に頭を悩ませた警察がとった行動。 その一部始終が描かれていて、内容は怖くてグロいものとなります。 最後のオチが秀逸で、「なるほどぉ」と…続きを読む

——誰にも求められてない。 そんな考えが頭をよぎったときの絶望感と言ったら、創作をする方々なら想像に難くないと思います。 こちらのエッセイではそのときの作者の頭の中を赤裸々に語っ…続きを読む

甘くて甘くて甘い、ストレートな物語でした。
まさに青春。

青春でした。

ただ殺すだけではなく、相手にハッピーエンドを与えなければいけないという縛りがまず設定として素晴らしいですし、その解決方法が1話1話違って面白かったです。 わずか六千字程度とは思え…続きを読む

残酷な幕開けでした。 多分おそらく最後までずっと残酷なシーンのはずです。 が、どういうわけか、本当に自分でもよくわからないのですが、読み終わったあとは不思議と心がクリアになりました…続きを読む

ひとりぼっちのデスゲームが幕を開ける。開幕から「いや一人でデスゲームなんてできるわけないだろ」という激しいツッコミが炸裂する。そりゃそうだ。びっくりするくらいありえない設定に出オチ…続きを読む

結婚式でよく聞くアレ。 「病めるときもー、健やかなるときもー」 アレを本気で考えて「誓います」と言っている人が一体どれだけいるでしょう。 本作の花嫁は、真剣に考えて、走り出しまし…続きを読む

みーちゃんは殺人鬼です。 その言葉に偽りはありませんでした。 徹頭徹尾、殺人鬼でした。 小説というのはリアリティを追及すると、読んでいる人の心に手を突っ込んで内側から搔き毟ること…続きを読む

異世界転生を取り扱ったショートショート。 たった６００文字。されどその中に入っている情報は緻密で無駄がない。 物語は進行中ずっと伏線を張り続けるというもので、見逃せば最後のオチで振…続きを読む

タイトルに含まれる黄昏という名前から、どこか郷愁漂うハートフルなヒューマンドラマ……と想像した人は、半分当たっています。でもそんな生易しいものではない。断じて。 主人公——千曲川…続きを読む

冒頭の『恋愛未遂事件』という強烈な言葉に持って行かれました。 それからするすると流れていく彼らの日常。 事件だなんて、そんな不穏な状態にはならないじゃないか——と思っていたら！ …続きを読む

いや、もう弓チョコさん全開でしたね。 三人一組の創作家がいろんな能力の案を出していって 「これが最強なんじゃないか？」 「いやそれにはこういう欠点がある」 「じゃあこれなら？」…続きを読む

肝試しをする若者の話。そこでの世間話。 「台風の被害に遭うって、相当運が悪いよなあ」 自分たちだけは大丈夫。などと言っているわけですが、これが、最初から最後までずーっと意味を持ち続…続きを読む

声上げて笑いました。 最初はクラスメイトがケガしたような不穏な空気から始まるのですが、蓋開けてみればめっちゃコメディでした！ このギャップがまたたまらないです。 明るい気持ちに…続きを読む

死んで、魂になったあと、死神に勝つことで、裏の世界で第二の人生が与えられる。 魂には色があり、その色によって第二の人生の道も決まる。 少女たちは銀色だった。希少種だった。どれくらい…続きを読む

今はもう連絡の手段すらなくなってしまったけれど、十年二十年のときを隔ててもなお、思い出す人はいませんか？ 私にはいます。 ネットの中で知り合った方。ゲームの掲示板で、意気投合して、…続きを読む

ほんっとに共感することばかりでした！ この道を私も辿りました。 良いことも、悪いことも。 ここでは、カクヨムでやっていくための作法と気の持ち方が大変丁寧に綴られております。 カク…続きを読む

物語の中では大変強烈なことをしている一方で、いろんなところに見える「誹謗中傷の意図はありません」の文字。 相当気を遣いながら書いたのだろうと思われます。きっとこの気疲れは、一般的な…続きを読む

雨の日のトラウマに囚われて六年。幼馴染の二人は距離を縮められないでいた。 でも二人とも学生で、それぞれの時間を進んでいく。 ナオはいつまでも優香のことを思い続けていて、優花は心の…続きを読む

タイトルからは想像がしづらいと思いますが、タグを見てください。『魔法』『魔書』とありますよね。 これはそう、まさに現代ファンタジーであり、ライトノベルです。 とは言え、筆致はそんな…続きを読む

たった1曲。 至高の1曲。 それを生み出すために、——550曲。 創れるか？ 才能だ、努力だ、流行りだ、逆張りだ……この物語に登場するギタリスト——都築（つづき）をそんなありふれた…続きを読む

窓が喋る。 というだけでもとんでもない発想なのに、それが地縛霊なんだというからさらにびっくり。 なんの因縁があって窓に憑りついているんだ、と。 シュールな出だしにびっくり仰天させ…続きを読む

不思議なことが起こります。 主人公——美紗子さん宛に美紗子さんから手紙が届くのです。 そしてその内容は、美紗子さんの生活をタイムリーに知る人でなければ送ることのできないものでした。…続きを読む

タグに『闇医者』『ホラー』とあります。 この二つから連想されるもので、だいたいあってます。 ですが、これはかなり行き切っていると思いました。闇医者の狂気が。 手術後に起こった出来…続きを読む

芸術が人に及ぼす影響がいかに大きく、医学の領域を超越して人を救う可能性を秘めているのかを示してくれました。 とは言え、おそらく芸術だけでは足りず。 かと言い、おそらく言葉だけでも…続きを読む

舞台にした時代にマッチした言葉選びが素晴らしく、世界の構築が文体からされておりました。 その文体からなる風景や行動の描写は緻密で、その時代の空気さえ伝わって来るようでした。 また…続きを読む

この作品では彫刻家にスポットライトが当たっていますが、これは小説家にも同じことが言えるなと思いました。テーマの部分でとても考えさせられました。 嫉妬はとても醜いものである。と同時に…続きを読む

お伽噺に出てくる魔女が、戦場に現れた。 そんなところから話は始まる。 どうしてか人は自分のために戦争をはじめたのに、気付けばそれを誰かのせいにしている。自分の中で解決して留めるには…続きを読む

自殺したクラスメイト。 動機は虐められていたからではない。寧ろ虐めていた。 主人公はそのクラスメイトから虐めを受けていた。 なぜ虐められている主人公ではなく、虐めているクラスメイト…続きを読む

ウィルスが蔓延して、マスクや除菌が当たり前になって十数年後の話。 作中ではウィルスの名前は言及されていませんでしたが、我々が直面している問題と照らし合わせることができました。 これ…続きを読む

情けない、情けない、情けない。 でも、どれだけ情けなくても、惨めでも、悲しくても、間違っていても、思いを伝えると言うことは正しい。 そのように思いました。 余命宣告から始まる彼…続きを読む

自分の名前を入れた提灯をぶら下げるお祭り。 提灯が風にあおられたり人とぶつかったりして燃えてしまうと、そこの村を出て行くことになるという言い伝えがある。実際にその村に残っている人々…続きを読む

人間観察。 主人公が観察して思ったことが写実的に描写され、心理が綿密に描かれています。 カフェにいる人々。その会話や立ち振る舞いから、主人公はこれまでの経験に憶測を織り交ぜて、「今…続きを読む

幼馴染の友達なのか恋人なのかよくわからないそういうもやもや～っとしたぬるま湯い空気感。居心地が良くて、いつまでもそこに居たいような感覚。でも、ずーっとこのままではいけない。二人の幼…続きを読む

卒業間近。時間がない中で告白するために四苦八苦する主人公がとてもキュートでした。 終止コミカルな一人称で進むので、読んでいて飽きません。 超絶美人で告白されまくりの主人公がなぜ誰…続きを読む

伝説的ガールズバンド・ローデリア。 そのボーカルの死をきっかけにして疾走した友達のミサ。 彼女から届いた謎のメール。「サンクチュアリを見つけた」というメッセージを追って、ミステリー…続きを読む

『左前』なのか『右前』なのか。 このエッセイで言及されているのは、ミスコンに対する憤りや煽りとかそういったものではなくて、単純に「思い込みって怖いね」という話です。 言い方の問題な…続きを読む

これは主人公が死んだら時間が戻るストーリー……かと思って読んでいました。 裏切られましたね。いい意味で。 そして裏切られたあとも、「じゃあどうして？」「じゃあどうやって？」など疑問…続きを読む

いい！！ 読後、この感想しか出て来なくて参りました。だってとにかく「いい！！」のだからもう仕方がないんです。カッコいいレビューとか書きたかったけれど、どれだけ取り繕って入念に言葉を…続きを読む

自分ってなんだろう。 そう言う疑問を抱くのは、多分ずっと幼い頃。そして、どういう理由かわからないけれど、いつの間にやら自分がなんなのかに決着をつけている。自分はこういう人間である、…続きを読む

ある一通の手紙から始まる物語。 幼き日の思い出。 楽しかったことや、悲しかったこと。 本人に伝えたいけれど、伝えることのできない思い。 行き場のない思いを綴り、宛先不明の手紙に変え…続きを読む