概要
そんな【黄昏】の住人達に生者からの荷物を届けること、それが「黄昏運送」の仕事だった。そんな胡散臭さ爆発の「黄昏運送」で働く従業員、偏屈眼帯男の「千曲川あきお」、やることなすことテキトー過ぎる後輩社員の「大曲ななみ」の二人のもとに、どこかワケアリの女子高生「桂木芽衣子」が依頼にやってくる。依頼内容は、病気で亡くなった彼女の無二の親友であり、完全無欠のパーフェクト美少女、「大貫彩乃」に荷物を届けることだった。
二人は荷物の中身もわからないまま依頼を応諾し、その足で【黄昏】へ潜入した。幸いにも【黄昏】の中で大貫を発見できた二人は大
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!生と死のあわいの、彷徨える想いをロジスティクス
死してなおこの世に未練を残す人間の成れの果てがうごめく『黄昏』、現世とあの世の狭間で彷徨える魂に、荷物を届けるのが『黄昏運送』の仕事。とはいえ、そうたくさん仕事があるはずもなく、暇を持て余し、自由奔放な後輩の大曲ななみに遊ばれている(?)主人公、千曲川あきおのもとに、依頼人が現れるところから物語は動き出します。
依頼人の真意、黄昏の実態、そして千曲川あきおと大曲ななみ、二人の抱えている過去。謎が明らかになるたびに、ページをスクロールする手が止められなくなります。もう少し読みたい、でも先が気になる……そんなジレンマを抱えながら読みすすめた先にあるラストとは……?
時間泥棒な運送会社の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!死者が迷い込む危険な場所【黄昏】に飛び込むのはかなりワケありな二人!
未練を残した死者が迷い込んでしまうという【黄昏】。「黄昏運送」というどう見ても斜陽で怪しい運送会社に勤める千曲川あきおはとある事情から、生者でありながら黄昏と現世を行き来できる特殊能力の持ち主です。
ある日、亡くなった友人に荷物を届けてほしい、という女子高生の依頼を受けたことから、彼と彼のおかしな後輩の【黄昏】をめぐる事情も変わり始めて——?
「死者に想いを届ける」というキーワードから、何だか切ないながらもほのぼのしたお話を想像してしまうのですが、あにはからんや、主人公のあきおはともかく、彼の後輩の大曲ななみは口から出まかせばかり。おまけに翌日には自分が言ったことさえ忘れているよう…続きを読む - ★★★ Excellent!!!お届け物屋さんに祝福を!
おすすめターゲット:ティーンズ〜一般
ジャンル:ライトノベル、一般小説がお好きな方へ。特に不思議な世界を愛する人へ
大好きです。
千曲川くん、大曲さん。どこか曲がった名前の彼らはまったく「まっすぐ」でした。
死者への届け物をする、というお話です。
黄昏という生死の狭間で、死後に想いを残した誰かに、何ができるか?
そりゃあドラマが生まれないわけがない。
軽妙なセリフのやりとりで笑わされたかと思えば、深い愛情に涙する。
もっともっと評価が高くあって欲しい!
ちょっと拗ねた眼帯ちび(ごめん)男、なんも考えてない軽女、読み終わればまったく変わった印象を抱くはずです。
その運送会社にいる誰…続きを読む - ★★★ Excellent!!!死者と生者とその間。黄昏の世界にて想いが届くその様を見届けて下さい
死者に物を届ける運送会社に勤める主人公が配達する現代ファンタジー。
生と死というとても重たいテーマを黄昏という設定とテンポ良い文章で、とても読みやすくまとめてくれているライトノベルです。
主人公と後輩の掛け合いなど、登場人物同士の会話はクスッと笑わせてくれます。
かと思うとシリアスなシーンはとても怖く切ない展開で、読んでて引き込まれ、揺さぶられました。
生きているという日常と、決してたどり着けない死という非日常の対比が文面から伝わってくる作品。
読みやめどきがなく、一気に読むしかありませんでした。
オススメですので、ご一読ください。
読んだ方が黄昏から帰って来れますように祈ってます。 - ★★★ Excellent!!!誰かに想いを届けるための作品!
主人公は千曲川あきお。
悲しい過去を持った男性で、未練を持った死者に物を届ける運送業をしています。
テンション高めの後輩大曲ななみと一緒にある依頼をこなすことになりました。
無事、その依頼が終わると思ったら、あることが起きて……
主人公のあきおや後輩のななみには悲しい過去があります。
最初の段階では明らかになりませんが、読む進める中で、何かあるなと思わせる雰囲気があります。
伏線が上手いのです。
そして、最後は見事な大団円。
練りに練られたプロットがあってこその物語だと私は感じました。
素晴らしい作品です。
是非お読みください!! - ★★★ Excellent!!!黄昏運送は、死者に荷物を届けます。
眼帯をした主人公・千曲川あきおは「黄昏運送」に務めている。その会社は「死者に荷物を届ける」というなんとも胡散臭そうな運送会社。
あるとき、あきおは後輩・大曲ななみとともに、女子高生の依頼者・桂木芽衣子に頼まれた荷物を死者・大貫彩乃に届けに行った。けれど、荷物を見た大貫は豹変してしまい…?
めっちゃ面白かったです。最初は不思議な会社の説明が描かれたり、眼帯主人公とハイテンションヒロインの会話にクスッと笑えたり、ゆるりと展開していきます。
ところが、依頼人が現れてから、グッとアクセルを踏んだように物語が動き出し、のめり込んでいきました。
それぞれのキャラの感情に共感するところがたくさんあり、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!天才。
読後、息をついてしばらく放心した。
ライトノベルのような顔をした、素晴らしく純度の高い純文学がそこにあったから。
作者のバランス感覚は天才だ。
ギャグ要素を多分に含んだキャラクター文芸を装いながら、創作とは何かの核心に切り込んでくる。
「独創的すぎたら誰にも分かってもらえなくて、共感できすぎたら凡庸だって埋もれちゃう。芸術ってそもそも矛盾してると思うんだ」
あまりにも自然に散りばめられたメッセージたちに初読の私たちは気付けない。
でも読後の心に残るのは、作者が意図して配置したその一文の苦しいまでの切実さと鮮やかさなのだ。
この作品が意図して装う凡庸さ。
その中に潜む、素晴らしく難解で…続きを読む