人間とは、堕ちるときはとことん堕ちるもので……それこそまさに、処されるまで止まらない・気付けないという害悪パターンも多々あるわけで。
そんな地獄への堕落劇ですが、そもそもの発端は、誰もが持ちうる向上心……の、皮を被った承認欲求だったりします。
いえ、それ自体は決して悪いものではないと思います。
作家として前に進むための原動力となりますから。
しかし、それをこじらせて悪い方向に進んでしまうと……。
本作はまさに、そのような承認欲求の暴走により、ルールをやすやすと踏み越える外法者となり果てた一人の作家の末路が描かれています。
自信を正当化するよりも前に、まずはルールを守ることから。
人を人たらしめるのは、人らしいモラルを持ち合わせていることに起因するということを心に深く刻みながら、本作をよく噛み締めてみてください。