黄昏運送は、死者に荷物を届けます。

眼帯をした主人公・千曲川あきおは「黄昏運送」に務めている。その会社は「死者に荷物を届ける」というなんとも胡散臭そうな運送会社。
あるとき、あきおは後輩・大曲ななみとともに、女子高生の依頼者・桂木芽衣子に頼まれた荷物を死者・大貫彩乃に届けに行った。けれど、荷物を見た大貫は豹変してしまい…?

めっちゃ面白かったです。最初は不思議な会社の説明が描かれたり、眼帯主人公とハイテンションヒロインの会話にクスッと笑えたり、ゆるりと展開していきます。
ところが、依頼人が現れてから、グッとアクセルを踏んだように物語が動き出し、のめり込んでいきました。

それぞれのキャラの感情に共感するところがたくさんあり、お気に入りの一文がきっと見つかります。
生者と死者、会話ができない両者をつなぐ黄昏運送。自分の想いが伝わらないってほんとに辛いことなんだなと、これを読んで改めて感じました。

千曲川や大曲の過去にも胸が締め付けられます。死者に荷物を届けるというファンタジックな作品なのに「実際にそういう会社がありそう」なところが、この物語に惹かれる理由の一つです。

魅力的なキャラクターたちの想いに心揺さぶられるはずです!ぜひ読んでみてください。

その他のおすすめレビュー

浅川瀬流さんの他のおすすめレビュー1,211