蒼碧の革命〜人魚の願い〜

　幼い頃の記憶がないレイアは旅の道中で全身傷だらけの青年を見つける。アリオンと名乗ったその青年は人魚族でアルモリカ王国の第一王子であり、レイアは、侵略されたアルモリカ王国を建て直したい彼に協力を申し出る。
　アリオンはレイアとともに囚われた仲間の救出に向かうが…？

　困っている人を放っておけないレイアがすごく逞しく、かっこよかったです。心優しいアリオンももちろん魅力度マックスで、そんな二人が互いに惹かれ、互いを守りたいと強く思う姿が尊くてグッときました。
　レイアの幼馴染であるアーサーやセレナも本当に良い子たちで好きです。仲間思いで気遣いができ、頼りになる二人は、レイアたちだけでなく、読者…続きを読む

説明メインの始まりですが、不思議とその重厚さに惹きつけられました。面白い世界観です。

情景、心情、そして愛。何を取ってもまず「美しい」のがこの作品の魅力だろう。
凛々しい女主人公と美しい王子、そして周囲の仲間たちもまた魅力的で、ぐいぐいと物語の中に引っ張りこんでくれる。

それから、なんと言ってもお腹の減りそうなご飯のシーンの数々。
書かれているものを一緒に食べたくなること請け合いです。

美しい作品ではありますが、決して軽く流されていくものではありません。
結末にたどり着く道は決して平坦ではありませんが、だからこそ、というものがある。

色彩の表現も鮮やかで、そこにも注目していただきたいです。
ぜひご一読ください。

　凛々しい女主人公のレイア。幼い頃の"空白の記憶"を求め、武術の腕を磨きながら生活していた彼女が偶然助けたのは、侵略された人魚の国の王子様だった——！？

　カンペルロ王国に囚われている仲間達を救い出し、自国であるアルモリカ王国を取り戻したいという彼・アリオンの願いにレイア、そして彼女の幼馴染で医術師のセレナ、槍使いのアーサーが協力して旅に出ることに。
　腕にはめられた腕輪のせいで思うとおりに人魚の力を使えないでいるアリオンと、それぞれの持つ力を発揮して皆で助け合いながら旅を進める一行。
　このキャラクター達皆が魅力的で、ちょっとした掛け合いやご飯のシーンではとてもほっこりと癒されること間違…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（89文字）

最終話まで読みました。

良い点
・色彩の表現がとても上手いなと感じました。どこかオペラ調な雰囲気と、色味ある文章は必見。書ける気がしないけど参考にしたいです。目で読むよりも、口に出すと気持ちが乗るような文体でした。そこら辺がオペラ調っぽく思いましたね。タグにもあるように「飯テロ」で、聞き馴染みのない単語から作られる料理が出てきます。それだけだと目は滑りかねませんが、作者は創造意欲掻き立てるような、楽しめるような書き方でとてもよかったです。文章も助長でなかったです。

・ストーリーは50話ほどで、無駄がない仕立てなのも良いです。メインキャラクター(4名)は有能の体現者かのように感じ、サクサク…続きを読む

ブルターニュ地方の伝承を基盤に書かれた、ラブロマンスあり冒険ありの幻想譚。人魚の国というメルヘン的要素の中に、少女レイアのたくましさが光る。描写力もピカイチ。

　健気に頑張るレイアがとても印象的な物語です。この「ヒロイン」は、本当に読んでて清々しくて、一発でファンになってしまいました。純情で、優しくて、それでいて、自分の気持ちを上手く処理できずに戸惑ってしまう「女の子」なんですが、アリオンのために精一杯のことをするんですよね。もう、そこらへんが、本当に健気でいいんですよ。あ、ちなみに、レイア。メチャクチャ強いんですけどねｗ

　と、まぁ、恋愛的な部分にフォーカスを当ててしまいましたが、物語としては、アリオンのために、アリオンの国を取り戻すことを目指す、「友情」と「努力」と「勝利」的な、ジャンプ的な物語ではあります。

　ただ、この小説が凄いのが、「…続きを読む

幼い頃の記憶を一部失いつつも武術の腕を磨き、ひとり逞しく日々を生き抜く少女レイア。ある日彼女が“拾った”のは、綺麗な顔立ちの青年。穏やかなラブストーリーの密かな幕開け……かと思いきや、なんと彼は麗しい瞳を持つ神秘の人魚族であり――さらにさらに、まさかの王子様だったのです！

人魚の青年アリオンの故郷は大国の暴君によって侵略され、仲間たちも大半は殺されるか、人魚の持つ不思議な力を狙って今も囚われています。国も家族も愛情も失った孤独なアリオンを放っておけず、レイアは頼れる仲間達とともに国の奪還を目指す……非常にまっすぐで情熱的なストーリーです。

主人公のレイアは非常に気持ちの良い人物です。話し…続きを読む

第1章まで読んだ感想であること、お許しください。
これぞ異世界ファンタジーだな、という描写を盛り込んだ小説です。
人魚や人間の動きや風景の書き連ね方は、緻密で大変美しいです。
心理描写は詩を読んでいるような感覚で、自然と頭の中に入り込んできます。
文章を読んでいるうちに作者の巧みな技量が窺えて、いつの間にか物語の中に入り込んでいます。
完結ということで、ぜひとも一気読みしたくなる小説です。
異世界ファンタジーがお好きな方、ぜひご一読くださいませ。