美しい情景からなる、悪滅ラブストーリー!

最終話まで読みました。

良い点
・色彩の表現がとても上手いなと感じました。どこかオペラ調な雰囲気と、色味ある文章は必見。書ける気がしないけど参考にしたいです。目で読むよりも、口に出すと気持ちが乗るような文体でした。そこら辺がオペラ調っぽく思いましたね。タグにもあるように「飯テロ」で、聞き馴染みのない単語から作られる料理が出てきます。それだけだと目は滑りかねませんが、作者は創造意欲掻き立てるような、楽しめるような書き方でとてもよかったです。文章も助長でなかったです。

・ストーリーは50話ほどで、無駄がない仕立てなのも良いです。メインキャラクター(4名)は有能の体現者かのように感じ、サクサクと前進するストーリーです。満足感ある内容で、ダレる感じ(話の緩み)がないのも素晴らしいと思います。女子陣も可愛らしく強い。男子陣はカッコよくて強い。無駄がないですね。また、真っ直ぐ芯があり目標も最初からあるのも良かった。読者の気の乗りも生まれるし、大切な要素だと思います。

・私のタイトルにあるように、悪滅もスカッとしました。重要人物のアエス王は、癪ですがこの物語で重要な役割、「悪オブ悪」で良いキャラをしていました。全く好感の抱けないキャラを作るのも大変で、ドクズすぎても読者は離れるし…でも、良い塩梅を突いていて良いと思います。アエス王の行った残虐シーンからの、ラブラブな会話や星マーク⭐️は話に彩も与えてくれました。ストーリーに爽快感も与えるので読後感も良好ですね。

・以下、殴り書きで具体的に良かったところ。始まりは伝記っぽく思いました。2話目でも本筋はじまるぜ感が良かった。1話1話のテンポも良く、11話では単語の気持ちよさを念頭に置いたような文章が良かった。そして、会話続きが多かったけど、特別気にはならなかった。21で、あまり飲みたくない味って文章は可愛らしさ満点でクスリとした。また、凄惨な状況と反する、神秘的な王のみ入れる空間は表現的にも良質だった。アーサーがまさしく横やり状態で面白かった。本編では一回?のレイア視点(現在)も、違和感なく読めた。終話のセレナの首筋の赤みという文章も、キャラが生きている温かみがあって良かった。


気になる点
・ほぼない。ただ、44や45で本編と離れちゃった印象が出ました。腰を折られた感じで残念でした。(最終で団欒感が出ていたので、そこまで悪印象でない)
・悪いわけではないけど、右右左下みたいな表現は結構印象深い。

一言
・コンテスト通過おめでとうございます。男人魚という設定は珍しいながら、面白かったです。文章面でも参考にしたいです。番外編は読んでいませんが、また次回の企画で会えたら嬉しいです。
・固定ファンが付いているのか、イラストもかなりあった。いざこざ?もあったようだけど、イラスト込みで楽しめました!

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