概要
桐原美紗子は、素晴らしい女だった。
大学生の美紗子に毎日届く『誰かから』の手紙。
その正体は……?
その正体は……?
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- ★★★ Excellent!!!《元気をだして》は時々聴こえなくなるから
大学生の《私》のもとに配達された《私》からの小包。段ボール箱のなかには手紙がひとつ、貼りつけられていた。彼女を励ます、他愛のない手紙だ。けれどもそこには私自身でなければ知らないようなことが書かれていた。彼女の懸念をよそに手紙は毎日のように配達され続ける。
彼女を元気づけてくれるそれらの手紙が、段々と心地よくなってきた頃、ある事件が起こる――
細やかなこころの揺らぎまで映しだす筆致。季節の風まで感じ取れるような描写のひとつひとつ。確かな筆力をもって綴りだされた物語に最後まで、惹きこまれ、暫くは読了感に酔いしれておりました……。
題名にある《カーネリアン》というのは天然石です。パワーストーンと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!四季の清濁を併せて呑む
不思議なことが起こります。
主人公——美紗子さん宛に美紗子さんから手紙が届くのです。
そしてその内容は、美紗子さんの生活をタイムリーに知る人でなければ送ることのできないものでした。
いったい誰がなんのために?
そういった疑問を抱えつつも、毎日届く手紙に元気付けられる美紗子さん。
しかし、あるときを境に、美紗子さんは手紙に対して不信感を持つように。そして——
田舎から上京して頑張る女子大生の日常と成長を描いたヒューマンドラマ。
この物語を彩るために用いられた筆致は写実的でありながら芸術的。緻密でありながら軽妙。
旋律のように流れる文章に身を委ねれば、春のうららかさと乾き、夏の日差しと雨の匂い…続きを読む