カフェで人間観察

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（95文字）

　表現の仕方がいい。情景描写がいい。

　主人公の、どこか人間の上に立っているような思想がとてもいい！

　主人公の姿、女子高生の会話などから見つけた疑問を集めると、それらがこの物語の心理を語るよう。
　それも深くまで語らない印象なのが言葉では表せられない没入感がある。


　ぜひご一読ください。

　ジャンルが多様に溢れるネット小説において、少数派的な立ち位置のこの小説。
　けれど、その文体は簡潔的且つ直接的且つ皮肉的。短い文の中に内在する情報が緻密であり具体性が多い。形容すればこれほどの言葉が出てくる程、この文章には無駄がなく、それでいて情報に富んでいるのだ。

　これぞ文学と言わんばかりのお手本のような【思考】を文字にて形容する様は、ベラベラと語る三文芝居のような劇的駄作小説とは隔絶していて、自然に主人公の語り口を想像させるのだ。
　特段、何かに対してのアンチテーゼ的な文ではないが【そうとも取れる】という書き方がなお良い。そのシニカルな思考が、短い文を濃密にし、一つの読み物として完…続きを読む

・こんな人におすすめ
　乙一さんの「GOTH」にハマった人
・個人的にここが良い！
　キャラ・文体
・読後の満足感
　まん丸　(^◇^;)
・感想
　「つまり、こうなんじゃないかな」を読み手に想像させる構造となっています。この人はなんのために観察をしていて、これからどうするのだろうと先が気になる終わり方をしています。関連の話はあるのでしょうか？

カフェで人間観察、と聞いて作家を目指す青年のお話かな…？と最初思ったのですが、最後に思わずゾクッとしてしまいました。
この語り手である主人公の淡々と女子高生を細かに観察している、という心理がひしひしと伝わり、すごく良かったです…！

これはもっとたくさんの人に読まれるべき作品。

私はこういったタイプの文を読んだことがありませんでしたが、それでもすらすらと読めました。
文から現実世界の雰囲気が感じ取られて、自分があたかもそのカフェの一員のような感覚に陥りました。
読み込めば読み込むほどその世界の住人になり、そして何気ない日常の中の会話がいかに他人に「見られて」いるのかを想像させられる、そんな作品です。
日常から非日常へと足を踏み入れたい方にお読みいただきたいと思いました！

この語り手は、何の目的で
人間を観察しているのか……

ぜひ読んで。

ちゃんと人間観察してると、お！って発見があります。
そんなことに気付かされる短いお話です。

続きは(´；Д；`)

改行が気になる所が俺の悪い所だが、この作品のバランスは完璧。まずは入りがいい。主人公の人なりがイメージしやすい。女性の会話、伏線、男性の視線、まるで俺がその場にいる様だ。その後の結末の流れも良かった。総合点は、エクセレント。

作者の人間観察を文章にしようと思った着眼点、そして何より随所に見られる言葉選びが実に素晴らしいと思いました！