幽霊なんてものはでてこない。悪人なんてものもでてこない。只々、その地の、その土地の歴史と史学を語るのみ…。にも関わらず、それだけにも関わらず、なぜか背筋を伝う恐怖と恐懼を含み伝う汗。調べながら、探しながら読むことを是非におすすめしたい一作品です。
建物は建物。しかしそれが歩んできた歴史、背景が「何かあるかも…」という恐怖心を掻き立てます。また、お話のもっともらしさを演出する筆力も見事の一言です。もうどこまでフィクションでどこまで事実なのかもわからないほど。。リアリティ路線のホラーがお好きな方、必読です!
ホラージャンルでしたので、若干、拝読する前に「怖い話なのかしら?」と、警戒していたのですが。誰しもが持つ子供時代の思い出と、どこかリンクするような。読後感は「懐かしい」が最も近かったのでした。作中に描かれたビルの存在は初めて知りました。内心、「創作かしら? それともエッセイなのかしら?」と思いながら拝読していましたが、ビルの存在は実話のようで、大変興味深い話でした。
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