己の感情も判断も、世界の流れが決めたものかもしれない。

お伽噺に出てくる魔女が、戦場に現れた。
そんなところから話は始まる。
どうしてか人は自分のために戦争をはじめたのに、気付けばそれを誰かのせいにしている。自分の中で解決して留めるには、あまりに大きすぎる問題だから。そしてその大きすぎる問題を人の分際で起こしていく。
人は身勝手だ。俯瞰的に見れば自明の理。けれど一人称視点で見る狭い世界の中では、その身勝手さに気付けない——そもそも気付いたところで手も足も出ない。
だからこそお伽噺の魔女に頼る。縋る。
魔女に希望を見た一般兵が下した判断とは。