人の苦しみの濃度は行動によって変わる。そう、魔女は言った。

 少女は目を覚ました。傍らには煩わしい悪魔がいた。この少女こそ、戦争を終わらせてくれると人々が信じている魔女だった。
 少女は戦禍の中で、一人の青年と出会う。青年には少女の魔法が効かないらしい。青年は少女に、早く戦争を止めてくれと頼むが、少女はただ見ているだけで、何もしてくれない。
 業を煮やした青年は、少女を森へと誘い出し、そして……。

 感情的で魔法を信じない、ただの一兵卒の青年。
 方や、魔法の体現である孤独な魔女の少女。
 二人の出会いは、偶然か、必然か。

 生と死が繰り返される中で、人間の業や倫理観を問う一作。

 是非、御一読下さい。