自分の名前を入れた提灯をぶら下げるお祭り。提灯が風にあおられたり人とぶつかったりして燃えてしまうと、そこの村を出て行くことになるという言い伝えがある。実際にその村に残っている人々の名は燃えず、ずっと提灯がぶら下げられたまま。——この言い伝え、設定が面白いと思いました。そしてそこから発生した物語は、独特でいて、しかしながらすべての行動に納得が行くものでした。とても心が温かくなりました。
提灯祭りでは、村で生まれた人の名が書かれた提灯が参道の両側にぶら下げられており、この一年の間に新たに誕生した赤ん坊の名入れが神事として行われていた。提灯に火が灯されているが、風があったり、誤って人の身体が触れたりして火が提灯に燃え移り、焼けてしまうものがある。そうなった提灯に名を書かれていた者は、いつの日か村を出ることになると言い伝えられている。面白い祭りの設定です。後半の展開が見事でした。
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