第28話 巨乳美少女3人が集まる?
「そもそもどうして春原さんに、料理のことをバラしてしまったのかしら? あなた、今日だけでわたしを何度怒らせるつもりなの……?」
机に指をトントンさせながら、やけにイラついた様子で話す雪川乃絵留。
色々あって春原が俺の料理を食べたいと言い出し、さらに春原はギャルグループの二人も一緒に食べることを提案してきた。
俺は教室に戻るなりそのことを雪川に話したのだが……結果、この有り様である。
やっぱこうなるよな……。
「でも、春原が晩飯を食べに来ることはもう決まってて」
「はぁ……転校生さ、マジで私らのグループの一員になる気あんの?」
なる気も何も、俺はそもそも巻き込まれた側なんだが。
いつものことながら、反論しようにもできない俺は、ギャル二人から一方的にお説教を受けていた。
「そりゃ昨年いなかったあんたには『春原と関わるな』とまでは言わないけどさ、だからって私らを巻き込むのは違くね?」
「そうよ……遥希はわたしじゃ満足できないってこと?」
「言い方! 俺はそんな事言ってねえ!」
人見も雪川も半信半疑といった様子で、俺に疑いの眼差しを向けてくる。
そもそもお前らが料理を気に入ったから、文化祭実行委員にも任命された挙句、春原沙優ほどの人気者が部屋に来ることになってしまったんだが。
「とにかく、春原が来んなら今日は私パス。私は優等生の奴らと仲良しこよしの関係になる気ないし」
「ちょっ……人見」
マズイな……人見が来ないとなると、雪川が来るはずもない。
そうなれば春原になんて伝えればいいのか分からないし……。
「乃絵留もパスでしょ? いくらこいつのメシが美味いからって、春原沙優と同じ釜のメシ食うのは」
「………」
「乃絵留?」
人見に同意を求められても、首を縦に振らない雪川。
も、もしかして雪川のやつ……春原と関係改善を前向きに考えるようになったんじゃ……。
「もう春原さんとは……約束しちゃったのよね?」
「あ、ああ」
「はぁ……こうなった以上は、仕方ないわね」
雪川は小さくため息をつくと、キリッとした顔をこちらに向ける。
「わたしは……それでも行くことにするわ」
「ゆ、雪川」
意外な返事だった。
先ほどからのイラつき様と、人見が来ないという点から雪川は来るはずもないと思っていたが……もしかして雪川は、今年の文化祭のことも見据えて、協力的になってくれてるのか?
「だって……もしも春原さんと遥希があの狭い部屋で二人になった場合、何かの間違いで口にするのも憚れるほどのドスケベなことをしてしまったら、間違いなく遥希は春原さんと『あっちのフレンド』になるでしょうし、わたしに料理を振る舞ってくれなくなるわ」
あ、全然違うわ。
「遥希はきっと料理よりも、春原さんのアレを料理することしか考えられない頭になってしまうもの」
「おいっ! さっきからそのど下ネタやめろ!」
普段は口数が少ないくせに、下ネタが思い浮かぶと饒舌になる雪川。
マジでこいつ……俺のことなんだと思ってんだ。
「だからわたしはあくまで貞操監視役として……その親睦会とやらに行くわ」
「いや、乃絵留……転校生みたいな陰キャ気質が春原と間違いを起こすとは思えねえんだけど」
「油断したらダメよ香奈。彼はわたしたちに胸を見るなと注意されても、度々胸を見てくるようなムッツリドスケベなのだから」
「見てねえし! 言い掛かりだ!」
雪川に偏見を向けられながらも、俺は全力で否定する。
「はぁ……乃絵留が行くなら私も行かないといけないじゃん」
結局、人見も来るのか。
まさか本当にこのクラスの二大グループの巨乳美少女3人が……一堂に会することになるとは。
こうして放課後、日本最高峰のデカパイ山脈が俺の部屋に聳え立つことになってしまった。
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