第56話 乃絵留の会って欲しい人とは?
乃絵留から会って欲しい人がいると言われた翌日。
「あの乃絵留が……俺に、会って欲しい人。マジで誰なんだろ」
乃絵留からそう言われ、急なことで困惑してしまった俺は、翌朝も早い時間に目を覚ますと、布団の上でぼーっと考え込んでいた。
乃絵留は昨日、皿洗いの最中に『会って欲しい人がいる』と言って、皿洗いが終わると『相手にも伝えておく』と言うとそれ以上は何も言わずに帰ってしまった。
もちろん俺は『誰なんだ?』と聞いたが、乃絵留は『事前に伝えると嫌がりそうだから』という理由で、躱されてしまったのだった。
(会って欲しいって言うくらいだし、乃絵留に近しい人間……まさか、両親とか?)
「い、いやいや! 自分の両親に紹介とか、もうそういうことになっちまうだろ!」
別に俺は乃絵留とやましい関係ではない。
いくら飯を定期する代わりに、ドスケベなコスプレを着る、といったような関係だとしても、やましい関係ではない……はずだ。
それより何より、乃絵留は俺のことをそういう目で見ているはずがない。
確かに他の男子たちと俺を比べたら、乃絵留の態度が大きく違うのは事実だが……そこにあるのはあくまで食欲であって、恋愛感情とは程遠いものであるに決まっている。
(そもそも俺が、そんな感情を抱けるほど乃絵留に釣り合ってないのも事実だからな……)
「でも、乃絵留が……彼女……か」
ふと考えてみるけど、そりゃ乃絵留ほど容姿端麗の美少女が彼女になったら、人生逆転レベルで世間体は良くなるかもしれないが……。
「大変なことの方が多いよなぁ、絶対」
俺はため息をつきながら立ち上がると、朝支度を始める。
まあ、乃絵留が何を考えているのか分からないのは、今に始まったことじゃないわけだし、なるようにしかならないよな。
俺は冷静に考えながら、家を出るのだった。
☆☆
高校に着くと、意外にも乃絵留が先に登校して来ていた。
「あら遥希……今日は遅いのね」
「いや、お前が早いだけだから。えっと、それで? 俺に会わせたいって話はどうなった?」
「ええ、そっちはセッティング済みよ。放課後にスノートップスで会うことになっているわ」
ほ、放課後……やっぱり、両親の可能性も……あるな。
そうだとしたら、乃絵留は一体、何を考えているんだ……?
俺の中に緊張だけが込み上げてくるのだった。
— — — — — — — — — — —
ど、どうなっちゃうのー!!(ドスケベ)
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ぼっちの俺がクラスの二大女子グループの中心にいる超絶美少女たちに懐かれて、板挟みハーレムになってる理由。 星野星野@電撃文庫より2月7日新作発売! @seiyahoshino
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