ぼっちの俺がクラスの二大女子グループの中心にいる超絶美少女たちに懐かれて、板挟みハーレムになってる理由。

星野星野@3作品書籍化作業中!

第1話 ギャルと優等生に挟まれる陰キャぼっち


 俺のクラスの女子グループは『ギャル』と『優等生』で完全に二つに分かれてしまっており、その二極化したそれぞれのグループの中心には、風貌が真逆のがいるのだ。


 優等生側の中心人物は、クラス委員長を務める春原沙優はるはらさゆ

 まん丸で大きな瞳と、あざと可愛いたぬき顔のハーフアップの美少女。

 天真爛漫で誰に対しても気楽に話しかけられるほどのコミュ力を持つ陽キャ女子だ。


 そしてもう一人、ギャル側の中心人物は、問題児ギャルの雪川乃絵留ゆきかわのえる

 色素の薄いロングヘアに真っ白な肌という透明感のある容姿と、誰もを惹きつけるその端正な顔立ちで有名な美少女。

 派手なアクセサリーを身につけながら、ギャルグループの友人以外とは一切会話を交わさず、常にダウナーな様子で授業も全部寝ているような問題児ギャルである。


 優等生と問題児という両極端な美少女。


 そんな二人を中心として、俺のクラスの女子たちは真逆の2グループを形成している。


 ギャルを嫌う優等生の女子は春原に近づき、自分がギャルであることを主張したい女子は雪川とつるむようになった。


 ……とまぁ、ここまで淡々とクラスの事情を話して来た俺だが、そもそも"ぼっち"の俺には関係のない話である。


 そう、関係ないはず、だった……。



 ☆☆



 俺、梶本遥希かじもとはるきは救いようのないぼっちだ。


 諸般の事情により、高校2年の春に東京の親元を離れることになり、地方にあるこの高校に転校して来て一人暮らしを始めた。


 だが、根っから陰キャ気質で元々友達を作るのは得意ではなかった俺が、2年生のこの時期に転校して来てクラスに馴染めるはずもない。


 こっちに来てもう2週間ほど経つが、友達を作れず、話す相手がいない俺は、いつも窓際にある席からクラスの様子をボーッと眺めながら、飽きたらスマホをいじっている。


 もはや俺は、陰キャどころかなのだ。


 だがそんな俺にも唯一、話しかけてくれる存在はいる。


「おはよっ、梶本くん」


 クラス委員長の春原沙優だ。

 編み込みハーフアップの可愛らしい髪型の天真爛漫な明るい女子で、容姿端麗で人望もある……あとおっぱいが、でっっっっかい。

 色々と恵まれすぎだろ春原。


「梶本くん?」

「あ、えと……おはよう、春原、さん」

「もお、さんは要らないって」

「じゃあ、春原……」

「うんうん、それでヨシっ。てかさ、もうこっちには慣れた? 東京に比べたら田舎かもだけど、こっちもなかなか悪くないでしょ?」

「えっと、まぁ」


 正直に言うと不便なことの方が多い。


 まずアパートの周りが田畑に囲まれており、近くにコンビニやスーパーがないので、色々と面倒だ。最近は近場の畑にある直売所から野菜を買っている。


「あ、そろそろ朝のHRの時間かー。ね、また話しかけてもいい? 東京のお話とか聞きたいしー」

「別に、いいけど」

「やったっ。じゃあまたねっ」


 春原沙優はそう言って自分の席へ戻って行く。


 愛嬌があって、コミュ力も高くて……めっちゃ可愛い。


 まぁ、春原は委員長だし、俺が転校生ってことで、色々と気にかけてくれるのだろう。

 特に深い感情はないに決まってる。


「沙優委員長〜、勉強教えてよ〜」

「はいはい、また後でねー」


 戻りながらも色んな生徒と会話を交わしている様子からしてコミュ強の陽キャ感が凄い。


 可愛いし、憧れるけど遠い存在だよなぁ……。


 そんなことをボーッと考え込んでいると、突然、隣の席の椅子が引かれた。


「…………はぁ」


 席に座るなり大きなため息と共に机に突っ伏した真っ白なギャル。


 うわ……来たな、雪川乃絵留ゆきかわのえる


 俺の右隣の席に座るのは、このクラスのギャルグループの中心である雪川乃絵留ゆきかわのえるだ。


 色素の薄いロングヘアと真っ白な肌。

 それとは対照的に端正な顔立ちを際立たせるメイクが目立つ。


 ギャルというのは基本的にうるさいイメージが強いが、雪川の場合は真逆の印象だ。

 アクセやメイクで自分を着飾っている割には、主張をしない、不思議なオーラがある。


 あと、雪川の場合……。


 雪川が机に突っ伏した時、机の上にどっしりと胸元にある二つの大きな果実が乗っかる。

 重そうで、柔らかそうで。


 うわぁ……こっちもこっちで超特盛のおっぱいだこと。


 雪川が机に突っ伏しているのを良いことに、思春期の男らしく胸元を視姦していると、突然、誰かが俺の背中をツンツンして来た。


「ちょい転校生、あんま乃絵留のこと見んなし」


 注意して来たのは、後ろの席に座っているギャルグループの人見香奈ひとみかなだった。

 人見は雪川と最も仲が良いブロンズ髪のギャルで、ギャルグループの中でも雪川と人気を二分するほどの人気がある。


「なんその顔。文句あんの」

「す、すみません」


 俺は謝罪して、前に向き直る。


 や、やっぱギャルは怖ぇ。


 これからは見ないように気をつけねえと。

 そんなことを考えながらふと横目で雪川の方を見たその時だ。


「…………っ」


 雪川は薄らと目を開けて俺の方をじっと見ていたが、しばらくしてからすぐにまた突っ伏した。


 今……俺の方、見てた?

 まさか雪川は、俺に"気が"あるんじゃ……。


 勘違いするのは陰キャのよくない癖なので、俺はやめておいた。



 ☆☆



 放課後になり、俺は帰宅する前にスーパーに立ち寄ることにした。


 アパートからは遠いスーパーも、高校からなら多少は近い。


「料理は全然得意じゃないけど、自炊するって約束で一人暮らし許されたもんなぁ……」


 俺は東京にいた時、ちょっとしたすれ違いがあって高校に行くのが嫌になった。

 不登校気味になった時、そんな自分がさらに嫌いになって、0からやり直したいと思うようになり、親に直談判してなんとか許しをもらってここにいる。


 俺はスーパーに入るなり、今晩の食材を手際よく手に取る。

 7限終わりに高校からこのスーパーに来ると17時過ぎで、ちょうど安売りシールも貼られてる時間になるし、かなり良いかもな。


 いつの間にか主婦みたいな気持ちなりながら、俺は買い物を済ませてスーパーを出た……のだが。


 俺がスーパーから出た途端、出口の真横にある自転車駐輪場に座り込んでいた真っ白な存在。


 メイクを鏡で確認しながら惣菜パンを口に咥える透明感のある巨乳ギャル。


 ……え、雪川、乃絵留……?


 スーパーの駐輪場でたむろ(?)していたのは、間違いなく隣の席に座る同じクラスの雪川乃絵留だった。


 つい俺が足を止めてしまうと、雪川もまた、俺の方をジッと見つめて来た。


 こんな時間に……雪川は一体、何を。


「……あっ」


 雪川は咥えていた惣菜パンを一度手に取る。


「……おっぱい凝視転校生」


「え?」


 小さくボソッと今にも消えそうな声で雪川は……ってちょっと待て。


 今、雪川は俺のこと、おっぱい凝視転校生って……んんんんん!


 バレてんじゃねえか!!!!





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