概要
切断された人間の手首を握って歩くという不気味な女の噂に惹かれ、その正体を確かめるべく二人は遍路の旅に出る。
しかし途中、キヨはポケベルに謎めいたメッセージを残し、不可解な死を遂げる。
友人の死の謎を解明するため、森沢は知り合った作家庭林と共に、再び四国を再訪する。
四国霊場を舞台に、物語は二転三転しながらある真相へと辿り着く――。
――以上が簡単なあらすじです。
ここから先は「横溝正史ミステリ&ホラー大賞」のための「完全あらすじ(ネタバレ)」となります。
未読の方はどうぞご注意くださいませ~m(__)m
森沢聡は、高校時代の友人キヨから、不気味な女遍路の噂を聞く。
四国の遍路道に、人間の手
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- ★★★ Excellent!!!オカルトミステリーの傑作!そして人の業と愛の物語……
舞台は1997年の四国。
霊場八十八ヶ所を巡るお遍路旅に出た主人公と友人キヨ。
その旅の目的は「遍路X」と呼ばれる正体不明の女を見つけること。
「遍路X」は白の遍路装束姿で、やせ細った体に長い髪を乱した不気味な姿をしており、その手には人間のものと思われる手首も持っているという……
ここまでだとホラーか?と思いそうですが、ここから主人公たちが巻き込まれていく事件、過去に起こった悲惨な事件が組み合わされていき、物語はミステリー感をどんどんと増していきます!
そしてホラーにオカルト、全ての謎を論理的に紐解いていく解決編!
読み終わった後に「ほうっ…」と溜め息が出ることでしょう( ´∀`)
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!穏やかな口調で語られてゆく恐怖と悲哀の物語
オカルティックな「遍路X」の噂の真相を解き明かそうと、四国に出かけた主人公モリ―とその友人キヨくん。その旅がもたらしたものはキヨくんの無残な死でした。モリ―は彼の死に打ちのめされ、しばらく廃人のようにアパートに閉じこもります。そこにやって来たのは、遍路の旅で知り合いになった作家の庭さんでした。庭さんはモリ―にもう一度四国へ行こうと誘い、キヨくんの死の謎を解明するためにモリ―はその提案に応じます。
って、これはほとんど作品概要に書かれている内容なのですが、これを見ただけで、ミステリ好き、ホラー好きの人なら飛びつきませんか? おいしいにおいがプンプンです。ちなみに、コメント欄を拝見する限り、作…続きを読む - ★★★ Excellent!!!お遍路に出没する怪異を追って
四国の遍路道に現れる女「遍路X」の噂を聞きつけ、主人公のモリーとその友人のキヨは四国を訪れ、実際に遍路を歩くことになる。
ジャンルは「ホラーミステリー」だが、そこに旅行記的な楽しみが付加されたのが当作品である。序盤の導入を終えて、早速遍路の旅に出る主人公たちであるが、遍路を旅する道中の描写がとにかくワクワクするし、とても興味深いものとなっている。
ご存知だろうか?
お遍路には、「お接待」文化というものがあって、旅人に食べ物や飲み物、時にはお金まで分けてくれる風習があるらしい。しかも、接待して「あげる」ではなく、お接待「させてね」という言い回しをするのだそうだ。なんと素晴らしい文化なのだろ…続きを読む