お遍路に出没する怪異を追って

四国の遍路道に現れる女「遍路X」の噂を聞きつけ、主人公のモリーとその友人のキヨは四国を訪れ、実際に遍路を歩くことになる。

ジャンルは「ホラーミステリー」だが、そこに旅行記的な楽しみが付加されたのが当作品である。序盤の導入を終えて、早速遍路の旅に出る主人公たちであるが、遍路を旅する道中の描写がとにかくワクワクするし、とても興味深いものとなっている。

ご存知だろうか?
お遍路には、「お接待」文化というものがあって、旅人に食べ物や飲み物、時にはお金まで分けてくれる風習があるらしい。しかも、接待して「あげる」ではなく、お接待「させてね」という言い回しをするのだそうだ。なんと素晴らしい文化なのだろうか。読んでいて胸が熱くなった。

その他にも、お遍路にまつわる豆知識が随所に散らされていて、興味を引くこと請け合いだ。

前半はホラー色が強く、オカルト系の話が好きな人には刺さると思う。
対して後半はミステリー色が強くなり、隠された真実が明らかとなっていく。

「ホラー」「ミステリー」「旅」これらのワードが好きな人には、ぶっ刺さるのではなかろうか。
もしこのレビューを読んで興味を引かれたのなら、是非読んでみてほしい。

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