第39話 目が覚めたら聖女に監禁されてるんだが!?
「ヴッ、、うん?」
俺は目を覚ますと大理石で出来た白い室内が目に入る
「これはいったい、、?」
ジャラッジャラッ
なんだ?これ?
俺は体を金色の鎖で椅子ごと縛られていた
「おや?目が覚めましたか」
エルグは声が聞こえた方へ目を向ける
俺はその美しさに目を奪われる
頭にベールを纏い、白い祭服を装う大人の女性
凛とした雰囲気、しかしどこか憂いを纏い
庇護欲をそそられる。
「あ、、、あなた、、は?」
俺は何故か呂律が上手く回らなかった。
それは心のどこかに引っ掛かりを感じたからだ
「あらあら酷い御方、私の事、、、分からないのですね」
よよよっ、とわざとらしく悲しそうな演技をする。俺はこの状況が異常なはずなのにその姿に
庇護欲が湧き上がる
「す、すまない、意識が混濁して、、、」
その言を聞いて聖女は下か覗くように顔を出す
「そうなのですね、、、それはなんとも」
好都合
その時、揺らいだベールの隙間から瞳が覗く
「へ?」
俺は変な声が出た
その目には、既視感がある
粘り着くような黒い瞳
その瞳には絶望が浮かんでいる
真っ直ぐ俺を視線が貫いている
安心や安堵が体を包むのに違和感が拭えない
「さて、どうやら喉が渇いたでしょう?お茶でもいかがですか?」
俺は喉が渇いていることを当てられて
驚きと違和感を持つも、自由になった体はおもむろにに椅子につき、お茶を飲む
香りが鼻腔をくすぐり、足りていなかった水分が俺の体を満たす。
「お、おいしいです」
俺はティーカップを机に置き
その女性を見る
その姿は変わらず、肘をつき俺を見ている
「あ、、あの?なにか、、?」
ふふっ
女性は嬉しそうに笑う
「なんだか、幸せでして♪」
俺はその言葉が脳を溶かすように響く
視界も溶けるように、、、、
「う、?」
「あらあら?お眠なのですね、お可愛いこと」
◇◇◇
ゴーラとアイラは気を失ったライネルと大賢者をどうしたものかと目を見合せているとエグが
「パパ、、、」
悲しそうにエルグのことを想っていた
「はぁっとりあえず事情を聞くしかないか?」
ゴーラはため息を吐きながら2人を担ぎ
レジスタンスの本体と合流を目指す
森の中を進んでいくと、レジスタンスの本体が現れる。先頭はワイドとぎ、、ぎるでぃあ!?
「どぉぅえ!?」
ゴーラはトラウマが蘇ったのかとても変な声が出る
アイラは驚きのあまりに硬直している
「な!?大賢者様!!」
ギルディアはそんな2人のことなど気にも止めず
ゴーラの肩から大賢者をひったくり
地面に寝かせる
「言え!貴様ら!何があった!!」
ゴーラとアイラはトラウマゆえか答えれずにいると
「ワイが、、、話すわ」
そこからライネルからギルディアへの説明が始まり、一通り聞いたギルディアは違和感を持つ
「おかしい、何もかもがおかしいことだらけだ。大賢者様にお聞きするしかないのか、、」
正気を取り戻したゴーラが
「とりあえず宿に戻るか、、?」
と仕切り直すことを提案したため
全員宿に戻り話し合うことになる
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