第51話 司祭ヤイバ2
ギルディアとヤイバは互いに牽制し合う。
剣戟や、拳が互いに交差し合う。
その最中、ギルディアは相手の転移について思考を巡らせる。
やつの転移には何か仕掛けがあるはず
パターンとしては2つ
1つ目が天啓であること
しかし天啓ならば何かしからの原理がある
例えばライネルなどは魔力が全て雷に変換される、それを利用して体を雷に変換する
これは所謂、魔法の内包系に近い分類だ
基本的に天啓とは内包系に近いものが多い、
しかし1部は工夫により体外への影響を生み出している
もしパターン1ならば工夫を見破らなければ転移は破れない
2つ目のパターンが
技術もしくは、神器などの特別な武具の類だ。
基本的に武具には許容量がある。
それこそ複数の能力を有するのは神器などの
世界でも有数のものだけだ。
ならばこそ剣はハズレだ。あの斬った物を焼く能力はあまりにも似つかない。
ならばこそ、あの鎧が怪しい
先程の一撃により、鎧は凹んだ。
その時に避けようとした転移はあまりに短い、
更に言えば先程からの攻撃は牽制など距離を保とうとする動きが多い
これは〈オーダー〉による一瞬の硬直を防ぐためだろう
ならば
「〈私は速い〉」
距離を詰める!
ギルディアは弾丸のように走り出す
ヤイバは〈オーダー〉を聞いていたからか
転移により視界から消える
それを見たギルディアは後ろへ方向転換し、蹴りを放つ
後ろにはヤイバが剣を構えていたため、ギリギリ防ぐことが叶う
「転移をッ!」
ヤイバは焦りを見せる
「〈動くな〉」
ヤイバは避けようにも動くことは叶わず、体勢を崩す、その隙を狙ったナックルダスターによる連打を受けて、鎧は完全に壊れ、吹き飛ばされる。
「終わりだな」
ギルディアは去ろうとするも
「ま゛だだ」
ヤイバは幽鬼のように立ち上がる
既に上半身の鎧は剥がれて、下半身も金具が壊れたからか、まともな部分は足しかない
「まだ立ち上がるか、気絶しておけば良いものを」
ギルディアはナックルダスターを握りしめ、
確実にトドメを刺そうとするも
ヤイバは剣の刃を己の左肩に突き刺す
ジュゥゥゥ
肉が焦げる嫌な匂いが広まる
「貴様、なんのッ!」
しかし剣は有り得ないほどの高熱を発する
まるで空間ごと焼き焦がすように
「私の天啓はね、武具強化と言うべきかな、
これは私の体の全てが武具の限界を超える力を引き出すことが出来る、こういう風に私の血肉を切れば、この剣の限界を引き出せるのさ」
ヤイバは肩を下げて脱力し、体を低く屈ませる
剣術なんて型は無く、まるで猟犬のように飛びかかる勢いだ。剣は未だに空間を焼き食らうが如く、高温を発している
「さぁ、やろうか」
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