第30話 ライネルとの合流

俺たちは招待状に書かれていた場所に向かう

騒がしくも、華やかな商店街をぬけて、入り組んだ路地を抜けた先の、招待状に書かれていた場所には浮浪者の老人が住んでいた


「なにようだ?」


老人は2人を睨む

ワイドとアイラを目を合わせながらも、招待状を差し出す


「ほぉ?魔道具のおっさんのか」


老人は俺たちを見定めながら言う


「まぁ、、あいつの紹介なら期待は出来るんだろう、まぁいい着いてこい」


老人は後ろを向きながら手招きを行う

2人はついて行く


そこからはさらに細くなる路地裏を通り、

ある場所にたどり着く


老人はしゃがみ込んで、地面に落ちていたボロ布をめくる


その下には鉄の板があった

老人は鉄の板を慣れた手際で退ける

その下には階段があった


「ほら、着いてきな」


老人は魔法で照らしながら先導する

2人も同様に魔法で光源を作る


カサッカサッ チューチュー


虫や、ネズミが壁の隙間で蠢いている

それを見たワイドが少し気味悪そうにして

アイラを見る。アイラは平然に階段を降りていてワイドは少し自信を無くす


入ってきた所が見えなくなり、光源は自分たちの持つものだけとなった頃

扉が見えてきた


「着いたぞ」


老人は扉を開けて、2人を誘い入れる


「これは、、」「なんつう、、、」


ワイドとアイラは驚き声を漏らす


そこはかなり広い空間があり、中心にステージがある。周りには傭兵や冒険者、果てには賞金首までごった返しになっている。しかし問題が起きていないのは全員が中央にいる男に釘付けになっているからだろう


「ほら、お前らもさっさと行きな」


老人は2人を急かす

ワイドとアイラはローブを被り、中央にいる男に注目する


中央にいる男はあぐらをかいている、服を着崩していて、はだけているが鍛えられているのが伺える。黄色のかみに黒のメッシュが入っており、目は黄色だ。

そしてその男が口を開く


「どうやら、粗方揃ったみたいやね」


男が喋り出す


「まぁ、この国の人は知ってると思うけど、ワイはライネルっちゅうねん」


その言葉に幾人かが感嘆の声を上げる


「あれが雷身、、」

「聖国一と言われる男、、」


「今回集まってもろたんは、ワイが受けた依頼をみんなに手伝ってもらいたいからやねん」


ライネルは大袈裟な身振り手振りで話し出す


「実は隣国の魔道帝国のある偉い人物が洗脳されてるらしいんやけども、そのお方がえらい腕の立つ人らしくてなぁ?その人を助け出すんが目的やねん」


その言葉に幾人かが疑問を持ち

その中でも気性の荒い賞金首の男が声を上げる


「おい!ライネル!それならとお前1人で事が済むんじゃねぇのか!?俺たちを呼んだ理由ってのを教えろや!!」


金髪モヒカンのガラの悪い男が声を上げる


「はぁ、あんま言いたないんやけど、その人魔術師らしくてなぁ、かなり罠とか作ってるみたいでワイひとりじゃ厳しいんよ」


「せやから自信の無いカスは消えてもええで」


ライネルはモヒカンの男を見下しながら言い放つ


その言葉に腹が立ったのか、モヒカンとその仲間の男達がステージによじ登る


「何がカスだぁ!?」


「結局自信がねぇから手伝ってくだちゃいってこったろぉ?」


「てめぇがそのカスなんじゃねぇのかぁ!?」


口々に文句を垂れながらにじり寄る


「はぁ、これやから低脳は嫌いやねん」


「低脳だァ!?」


男はキレながら言い放つ


「俺たちはなぁ!Bランク賞金首の頭金ゴールデンヘッドだぞ!」


それを見たライネルは欠伸をしながら言う


「ふぁぁあ、ほなかかってきいや、肩書きには自信があるみたいやし」


その言葉にキレたモヒカン連中は襲いかかる


「後悔してもしらねぇからなぁ!!」


身体強化を使いながら突進する


「名前だけかと思ったけど結構やるみたいですね、、、」


ワイドがそう言った瞬間


閃光が走り目を瞑る


バチッゴロゴロッ!


轟音が鳴り響き


目を開いた時には


「話にもならへんな」


全身が黒焦げの3人と、無傷のまま立つライネル


「まぁ、自信のあるやつはワイを手伝ってくれや、魔術師を捕らえた奴には1億ゴールド出すで」


その言葉に会場は盛り上がる


「1億ゴールド、そんな依頼聞いたことないぞ、、、」


ワイドは冷や汗をかきながら言う


「そうやね、しかも動きが全く見えんかった」


アイラはライネルの実力に恐れ慄く


「ほな!みんな!集合は明日の昼盛り!

【鉛色の酒場】やで!!」


ほな解散!


そう言うとライネルはまた光り、消えた


「じゃあ、あんたら、こっちに来な」


最初に案内した老人が手招きをしている


ワイドとアイラは老人に先導され

帰路に着いた

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