第31話 作戦前夜

ワイドとアイラは宿屋に帰り、今日あったことをゴーラに伝える


「そうかぁ、、、」


ゴーラはそれを聞いて少し悩み、何かに勘づいたように言う


「なぁ、もしかしてその洗脳された魔術師ってのが大賢者なんじゃねぇのか?」


アイラは肯定する


「せやね、ウチの予知でもエルグにたどり着く可能性が明らかに増えた」



重ねてワイドも心当たりがあったのか


「恐らく、、このタイミングでのこれですから、、」


ふたりは同時に言う


「「大賢者なら1億ゴールドの価値がある」」


ゴーラは天を仰ぎながら言う


「確かに、、納得だ」


少し時間が経ちゴーラが言う

覚悟を決めたのか考えを口にする


「よし、レジスタンス総出でその依頼達成するぞ」


ワイドとアイラも同意する



「せやな、今回の依頼は唯一とも言える手がかりやしやるしかないな」


「私も魔道具のことで手がかりが無かった時点でこの依頼に賭けるしかないかと」


「おし、わかった、全員集めろ。明日に向けて準備すっぞ」


◇◇◇


ある酒場で


そこでギルディアとライネルが向かい合う


「まぁ、とりあえず50人ぐらいの囮は手に入ったんとちゃうかな」


ライネルはいつも通りに、服を着崩し

酒を呑みながら言う


「そうか、ならば予定通り時間稼ぎは出来そうだな」


ギルディアは鼻で笑いながら言う


「それにしても、遊楽に注ぎ込む貴様に1億ゴールドも貯蓄があるとはな」


ライネルはわざとらしく「あーっ」と言いながら言う


「あれ嘘やで、どうせ全員死ぬんやから関係ないやろ」


ギルディアは下衆を見る目つきで見下す


「クズが、そんなのだから監獄に入れられるのだ」


「うげぇっ、痛いところつくなぁほんま」


ライネルは目を細め頭を掻きながら言う


「まぁ、あんさんの言うことが全部ホントなら、魔王を倒した大英雄大賢者様にも30分は稼げるんやろ?」


「そうだ、そしてその間に洗脳した輩を貴様が殺す」


「貴様ならできるだろ?」


挑発するようにギルディアが言う


「当たり前やん」


ライネルはにニヤリと笑いながら同意する


◇◇◇


ある一室でケルトは意識無く、虚ろな状態のエルグを撫でながら言う


「はぁ、どうやら私たちの逢瀬を邪魔する奴らがいるようですねぇ」


「せっかく、宰相の座に括りつけてやったというのに何という恩知らずというのでしょう」


ケルトはすぐさまそんな事から興味を失いエルグを見る


「はぁー、それにしても何という安心感、なんという充足!人生とはこんなに彩られたモノだったのか!!」


しかし喜びから一転して負の感情を露わにする


「それにしても悔やみます!あの時、私が!あと一瞬でも早く飛翔魔法が使えれば!!こんな面倒な事せずとも!エルグを!!!私のモノに!!!」


昂ったのか少し息を荒らげながらも言う


「はぁっはぁっ、、、

もう少しですから、貴方が私の物になるのは」


ケルトは粘りつくような黒い瞳でエルグを覗く



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