第32話 作戦時刻

ある酒場では50あまりの人達が集まっている。

全員が注目する先には1人の男がいた


「ほなみなさん!お揃いみたいやね!」


うさんくさい笑い方の男、ライネルだ


「みなさんにはこれからある場所に行ってもらいます!その先にはワイの協力者がおるんで!そこでその人の指示に従ってもらいます!」


ライネルの説明に何人かから反対の声が上がる


「なぜ誰とも知らぬ人物の指示に従わなかければならんのですか?」


「拙僧らも自由に動きたいでござるぅ?」


ぱんぱんっ!ライネルが軽くてを叩き、落ち着かせる


「まぁ!その気持ちも分かるで!でもな!その人は軍隊上がりでえらい強い人やねん!せやからワイより指示が出来るってのが理由やな!」


それに反対の声をあげたもの達はほとんど納得して、1部は渋々という感じだった。


先日集められた時に葬られた男達のようにはなりたくないからだろう。


「ほんなら!今回は!じゃじゃん!これ見た事ある人おるかな?」


ライネルは布をめくり、その下には巨大なガラスが隠れていた。


「これはな!大規模作戦で使われる転移用の魔道具や!」


その言葉にほぼ全員が驚きの声をあげる

先の戦争で魔道帝国が猛威をふるえた理由の一つであるその魔道具は人類に多く広まっていた


「てなわけで!こいつでその場所まで飛んでもらうで!」


ライネルが指パッチンをしてバチッ!と音が鳴った瞬間、地面に魔法陣が現れる


「ちなみに!身体の八割が入っとらんと置いてかれるけんなぁ?」


そう言われて端にいたもの達は中心に向かい

人だかりでぎゅうぎゅう詰めになる


光が輝き、全員を包み込む



「ほな到着したみたいやね!」


全員が目を開けるとそこは森の中であった、場所は分からないが移動が成功したのがわかった


「ほな!みなさん!ちゅうもーく!」


ライネルがローブを被った女性へ手を向ける

位置的に転移したのでなく最初かはいたのがわかった


「それでは今回、君たちにはある魔術師と戦ってもらう、そのお方は洗脳されているが大変腕が立つ、なので全体、〈私の指揮に従うこと〉」


全員が指示に従うと言うことを叩き込まれた


「ほな!みなさん!移動しまっせ!」


ライネルはいつも以上に薄気味悪く笑っている


◇◇◇


「大丈夫みたいですね、、、」


ワイドとアイラは、全員が転移したあとに時間を空けて転移していた。


そしてアイラは携帯型魔道具を使い、レジスタンスのメンバーに作戦の開始を合図した


ワイドは方位磁針のような魔道具を見る


「発振器型魔道具の位置は問題ないです」


2人は目を合わせて頷く

今回の作戦はレジスタンスの戦えるメンバーを

安全確認してから合流させること。

エルグ奪還のために作戦を尾行すること。


「どうやら親父たちも連絡取れたみたいやし時間がたたん内に来るはずやで」


「絶対助けますからね!エルグさん!」


ワイドは決意を固めた表情で作戦用の魔道具を設定する


◇◇◇


ケルトは遠くから50人ほどの人だかりが近づいてくるのを確認する


「はぁ、こんなことに時間なんて使わずに、もっとエルグと共にいたかった」


ケルトは若干いじけながらも、杖を握る


「それにしても、この程度で私を捕らえるってのは、安く見られたものだね」


そして杖を振るう

前日に仕込んで置いた魔法の数々が起動する。


ギルディアは異変に気づいたのか全体の動きを止めるがもう遅い


一瞬のうちに全ての魔法が起動する


100あまりのゴーレムの軍団

土の壁で退路を塞ぐ

氷の魔法で体温を奪う

その他あまたの魔法が次々に露見する


「私は魔道帝国大賢者の地位につくSランク冒険者ケルト」


大賢者は杖を振るいさらに魔法を発動する


「手早く終わらせてもらおう」

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