第25話 大賢者と話し合いだが?
俺たちは大賢者の誘導の元に、宿屋に来ていた。そこは有名な宿屋ではなく、大通りの端に位置しているが、作りはキメ細かく利用者を思い作られていて、少し暗めの木の材質故か少し物静かな印象を感じる。
看板には【鳩の花園】と書かれていて
少しメルヘンな鳩と花が彫られている。
俺たちは馬車を預けて、ワイドとアイラは宿屋の主人に部屋の割り振りなどを聞いていた、どうやら冒険者上がりらしくガタイがよく、かなり威圧感のある人物だ。その後、俺たちは今後の予定を決めた、レジスタンスの精鋭は荷物の護衛に、女性たちは連日連夜の移動に慣れてなかったのか、女性用の大部屋で寝ている。
そして俺は今、ワイドとアイラ、そして大賢者と共に机を囲っている。
なんで俺は呼ばれたんだ?
「さて、私に話とは一体何かな?」
大賢者は変わらず余裕な様子で話し出す
「惚けないでください、私たちが何なのか貴方なら知っているはずです、なのに何故私たちを助けるような真似をしたんですか!」
ワイドか問う
「うーん、それはね、、少し言い難いんだがねぇ」
大賢者は思案しながら答える
「簡単に言えば、興味があったからかな?」
「はぁ?」
その返答に俺たちは驚きワイドは呆れている
「いやねぇ、あの要塞は僕が作ったんだが自信作だったんだ。だからね、まさか脱獄されるとは思ってもみなくてね」
大賢者は飄々とした態度で答える
「だからね、君たちには期待もしてるんだ、何故なら僕が作った監獄を脱獄した人達がたかだか入国審査程度で捕まったなんてしれたら、私たちにも大きな損害なんだよ」
一見理が通っているようにも見える言い草だか、それならば
「ならば!貴方自身で私たち全員を捕らえれば良い話ではないですか!貴方ならそれが出来るはずだ!」
ワイドは少し汗ばみながらも言う
それを俺とアイラは手を握りながら見る
しかし大賢者は不敵な笑みで答える
「まぁ、私には私の計画があるってことだよ」
その言葉に露骨にワイドとアイラは警戒心を高めた。そして俺が2人に目を逸らした一瞬
その一瞬、大賢者が俺を見た、あの時と同じ粘り着くような黒い瞳。俺の錯覚か、瞬きした後には深緑の瞳でしか無かった。
「まぁ今日は長旅で疲れただろう?全員分の部屋は私が支払っているよ?さぁ!解散解散!」
大賢者がそう言って場を濁す。それに何か言いたげだったワイドも強く言い返せない。それは単純に大賢者がこの場で誰よりも社会的にも実力的にも強いからだ。
◇◇◇
その後、宿屋の従業員に案内され部屋に辿り着いた。俺の部屋は2人用だ。エグと俺の2人で居るのがいいからだろう。
俺は疲れたなぁと下を向きため息を吐きながら
扉を開け部屋に入る
「やぁ、待ってたよ」
俺はその声に体が強ばる
俺は顔を上にあげる
部屋の椅子に座ってこちらを見るケルトがいる
窓から覗く月光が彼を照らし、緑色の髪が反射してとても神秘的に見える
しかし彼の瞳は、俺を粘り着くような瞳で
見つめている
それは獲物を狙う狩人の瞳
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