第26話 ケルトが現れたんだが?
この状況を俺は理解が出来なかった
俺は焦りによるものか、それとも恐怖によるものか声を出せずにいた
「なぜ、貴方がここに、、、、」
不格好な敬語で話す
大賢者は笑いながらも言う
「やめろよ、敬語なんて私たちには必要ないだろう?」
俺はその言葉に動悸が早くなる。
夜も深けて、静寂のはずが心臓の鼓動が騒がしい。
「な、んの事でしょうか?」
ケルトは少し悲しそうに、そして縋るように言う
「やめてくれよ、これが幻なんてもう嫌なんだ」
その言葉に俺は自分のした事の罪の意識に苛まれる
深緑の瞳から涙がこぼれそうで、その姿はいつでも、少し触れるだけで壊れてしまいそうで
「やっと、会えたんだ君に、、、」
俺はその言葉により胸が痛む、それは仲間に会いたかったのに会えなかったからか、それともあの夢のせいなのか
俺は言葉を出せず、その場に立っていた
しかし心とは裏腹に静寂に耐えきれず
「ごめッ、、、!」
俺が謝罪しようとする前に、ケルトは俺を抱きしめる。あの時より体はごつくなっていて、よく見ると体の至る所に傷があった。
俺も彼を抱きしめる
彼らが進んだのは茨の道、それも最も危険な
ケルトはうわ言のように言う
「ごめん、、、ごめん、、、、ごめん」
俺は謝られる意味を知りたかったかったが
彼が先に答える
「見捨ててしまって、、、ごめん」
俺はその言葉から飛翔魔法が終わるまで俺が耐えきれなかった事を後悔しているのだと理解した
「俺こそ、ごめん、あと少し耐えれれば皆で戻れたのに、、、」
俺たちは再開の抱擁をする
何十秒か立っただろうか?俺は離れようとするがケルトが俺を抱きしめる力が強く、、つよッ、、、強くね?
「け、ケルト?」
俺は魔術師のはずがオーガのような力で俺を抱きしめるケルトのことを見る
「あぁ、やっと、やっと君が手に入る」
俺はその言葉の意味が理解できなかった
て、手に入る?
「それは何のじょうだッ、、?!」
彼が指を振るう。それだけで
俺は急に口が開かなった、それどころか体が
指ひとつ動かなくなった
「あぁ、エルグ、エルグ、やっとだよ、、、」
その瞳は粘り着くような黒
緑の髪は月が隠れたからか深緑に見える
まるで彼の瞳のように
彼の瞳は狩人の瞳
獲物を逃がすつもりなど無い
「僕が大切な物をを一生無くさないように」
ケルトが魔法を唱える、それに伴い俺の意識は薄れていく、ただ最後に見えたのは執着に歪んだ彼の表情
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