第47話 情報統合
宿に隣接している酒場にて、ワイドとアイラは
他のメンバーを待っていた。ゴーラとケルトに関しては外せない作業が長引いているため現場に残っているとの事だが、2人は何も情報がなく、一抹の不安を抱いていた。
ギィィ
その時戸を開ける音が響く
「いやぁ悪い!遅うなったわ!」
ライネルがいつも以上に乱れた服装で現れた
「ライネルさん、遅かったし、その服の乱れ、どこの女と会ってたんですか?」
ワイドは若干の軽蔑を交えながら言う
「ちゃうわい、、、いや違わんか、、、?」
「「はぁ、、?」」
神妙な顔つきのライネルに半ば呆れた声で溜息をつく2人
「それよりもギルディアがおらんのかいな?
あいつは時間はキッチリ守るし、なんなら誰もよりも早う動く女やで?」
便所か?と聞くライネルだが2人は少し困りながらもアイラが言う
「いや、まだ来てないんですよ」
「え!?マジで!?あの女が?!ワイバーンが竜に勝つぐらい有り得へんで、、、、」
先程よりも思考に励み、神妙な顔つきは更に小難しいことを考えているようだ
すると扉を開ける音が響いた
ギィィィ、、、
全員がいっせいに振り返ると、紺色のローブは敗れていて、更に血が滲んでいる
「ど、どしたんな?お前何があってん、、?」
ライネルはギルディアが手傷を負うやと、、!?と驚きかなり挙動不審に聞く
他の2人も同様にギルディアへの心配と事の重大さに注意を向ける
「私たちの事がバレたかもしれない、、、」
「なんやて!?」「ほんとですか!」
「ほんまかいな!?」
3人が異なる言葉で問いただす
「落ち着け、まだ可能性の話だが説は濃厚だろう」
ライネルはまたもや神妙な顔つきとなり、2人は焦りと驚きが重なり、言葉を固唾を飲んで待っていた
「少なくとも、私のような存在は察せられているだろう」
「そうやな、ワイのとこにも変な女が来たわ」
2人はその事にかなりテンパっている
「なるほど、私とライネルは少なくともバレている可能性が高いだろう、まずは情報を集めよう」
ギルディアは乱れた場を整えるために先陣を切り話す
「まず私だか、ライネルと別れて悪徳商人から情報を集めていたが、全員が同じようなことを言うため参考にはならないだろう、問題はその後だ。商人の魔法が騒ぎを呼び、騎士団が駆けつけた、その中にいた司祭のヤイバという男は剣によって空間を引き裂き、私を聖都郊外の野原まで連れ去った。情報を集めようとしたが、まぁこの通りだ」
ライネルは血が垂れている腕を見せる
「しかし問題はヤイバという男だ、あの男はまだ何かを隠していた、恐らくこの国でも英雄と呼ばれるものだろう」
ワイドとアイラは目を見合せる
そしてワイドは口を開く
「ええ、私もアツクという司祭から得た情報なのですが、ヤイバという男性は司祭の地位にありながら聖騎士団にて団長を務めて、日々
聖都の悪人を倒しているようです」
「ちょいとええか?」
話が少し進んだところでライネルが口を挟む
「ワイも情報を集めてたんやけど、そん時に天啓を持つ女に襲われたんや」
ギルディアは「ほう?」と話を聞き入る
「まぁワイもギルディアとほぼ同じ感じで、小悪党どもを搾ってたんやけどそん時に後ろから輩仕掛けてきたんや、その輩も正気じゃなかったみたいやし、人を操る天啓を持ってるとみて間違いないな、しかも服を脱いだらいきなり気色悪い煙出てきたから、ワイは引いたんや、恐らくあれを吸うてたら今頃意識もなく手下として操られてたな」
「なるほど、手強いな」
ギルディアが感心していると
アイラが口を開く
「そういや!ウチらが得た情報の中に聖女に関することがあるんやけど!」
その言葉にワイド以外が食いつく
「まぁ続きは私が話しましょう、まず聖女は霊峰の本神殿と呼ばれる場所に最近は籠っているようです、さらに神器により断罪の力と呼ばれるものを得ているようです、それがあの鎖などの正体でしょう」
「なるほんな、それはええ情報や」
「ああ、教えてくれた司祭には感謝するが、その司祭にも今後は接触しない方が良い、司祭は少しきな臭い」
ギルディアは警戒を促す
「ほな!作戦練って行くか」
ライネルは気楽ながらも本題を切り出す
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