第48話 逢い引き
話は長引き、途中から合流した仲の深まったゴーラとケルトを迎えいれて結論を出した。
『本神殿付近にて陽動を行い少数精鋭にてエルグを奪還する』
単純だが、最も成功率の高いであろう作戦だ。
陽動を行うメンバーはワイドとアイラが率いるレジスタンス
エルグ奪還部隊はギルディア、ケルト、ライネル、ゴーラの実力者ぞろいだ。
しかし何かしらの組織がいることがバレている可能性を留意して、明後日には作戦を実行することになった。
それまでにケルトによって既存の魔道具を改造するため、ケルトと付き添ったゴーラは作業場へと戻って行った
アイラとワイドは当日のレジスタンスの動きを
全体に指示する
ギルディアは件の司祭の対策を練っていた
そしてライネルは、、、、
◇◇◇
そこは人気のない裏路地
1人のローブを纏った男にライネルは近づき
親しげに話しかけ肩を叩く
「よぉ!アツクはん、元気しとったか?」
そこに立つは司祭アツクとしてではなく、様々な悪行にて自身の地位を高めようとする下賎な男アツクである。
「ライネルか、、、軽々しく触りおって、、、
それよりも貴様には聞きたいことがある」
高圧的な態度で居るアツクに
「だるそぉ〜」と露骨に嫌な顔をするライネル
「貴様、どうやら裏でコソコソとやってるみたいじゃないか、それも聖女についての事を調べ回ってるようだ」
痛いところ突かれたライネルだが、いつも通り
痛くも痒くもない様子で答える
「ああそうやで?それがどしたん?」
「どうしたなどでない!貴様とて気づいたから探っているのだろう?聖女は気狂いだ!それも重度な!あの地位にいながら自分の全てを捨てるつもりで何かをしてやがる!!」
アツクは顔を赤く染めて忌々しげに吐く
「ほぉ、それはそれはワイも知らへんかったわぁ」
それでも惚けた様子のライネルに腹を立てるアツクだが興が冷めたと去ろうとする
「あー、それよりもあんたやろ、ワイにあの女仕掛けてきたん」
その言葉にアツクはピタッと止まる
「なんのことかな?証拠もなく人を引っ掛けるのはやめたまえ」
アツクは知らんと言い切り帰ろうとするも
「ほぉん、そかそかお前やったんやな」
ライネルは足を雷に変換し、高速で襲いかかろうとするも
「チッ!めんどくさいなぁ!貴様!」
ジュゥゥ
体は熱された鉄のように赤く染まり高熱を放つ
それのより床や壁が燃え始める
「やっぱ、お前みたいやな」
ライネルは咄嗟に壁を蹴り、避けるも既に近づくことは敵わない
「クソが、だいたいお前などに仕事を任せているのが間違いなんだ」
アツクは迫り寄ろうとするも
「いうても、ちゃんと仕留めてきたで?ワイは、ほな!またのぉ!」
ライネルはそのまま閃光となり消えていった
「クソが!黙りな!」
ライネルの軽口に腹を立てた男は更に高温になり、直接触れる床が溶け始めていると
「うわぁ!?人が燃えてる!?」
たまたま通り掛かったチンピラが赤く燃えるアツクを見て騒ぎ立てる
「クソが!本当にツイてないなぁ!!」
アツクは強靭な肉体と熱によって、指で壁に穴を開けて屋根までよじ登る
そしてそのまま闇に消えていく
この事は聖都に潜む
聖都7不思議のひとつとなった
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