第49話 作戦開始

深夜


酒場の盛り上がりも落ち着きを見せて、各々が帰路につき、既にどこも人気がない。


しかし聖都の象徴とも言える本神殿の周りには

100を超える聖騎士団が警邏していた


本神殿は周りに強固な壁があり、正門以外は通路がない。そして最も警戒の暑い正面とは反対側の壁にレジスタンスは魔道具の爆弾を仕掛ける。そして起動する


ドォォォォォン


聖都に轟音が響き渡り、民家からは光が

衛兵たちは笛を吹き、現状を探る


「一体何が起こっているんだ!」


聖騎士の鎧に身を包むモヒカンの男は、聖騎士団の副団長である。しかし実態としては数多くの汚職により這い上がってきた薄汚いハイエナである。


「副団長!爆弾が仕掛けられていたようです!!裏側に大きな穴が!!」


それを聞いた副団長はぷるぷると震えながら叫ぶ


「すっ、直ぐに全員を集結させろ!なんとしても壁を通らせるな!!」


ここは本神殿、司祭や教皇、聖女のみが立ち入ることを許される聖域


そんな名誉な場所を守らせて貰っているのに

任務を失敗したとなれば命は無い


襲撃にあったとしても防げば問題は無いはず!


「ただちに向かえ!!」


「「「了解!」」」


聖騎士団一同は騒ぎのあった裏壁へと向かう


◇◇◇


そして混乱に乗じてローブを着込んだ男女

4人がガラ空きになった正門を通り

本神殿へ侵入する


「へぇ〜こんな簡単に作戦が成功するもんなんですねぇ」


ケルトが驚きにより少し呆けながら言う


「そうさ!凄いだろ?これはうちの娘のおかげだな!」


「いやいや、ワイら全員のおかげやで?」


いライネルは作戦を娘のものにしようとするゴーラに言い返そうとするも


「いや、そういうのじゃなくてだな、娘は未来が見えるんだ、だから完璧なタイミングで行動してくれんだよ」


「「未来が!?」」


3人がハモリながら言う


「おい、貴様ら作戦中だぞ」


ギルディアが厳しい目付きで騒ぐ男衆を睨む


「す、すみません、、、」

「申し訳ねぇ」

「ごめんやてぇ」


三人が一様に謝罪するも


「いえ!ケルト様は悪くないのですが、、!」


大賢者に特別甘いギルディアである


◇◇◇


時は遡り作戦会議中


「メンバーは決まったなぁ!ほな具体的にどうしょうか?」


ライネルが疑問をこぼす


「裏側で陽動をしているうちに手薄になった表門を強行突破するのは確定だろ?しかし問題はその後だ」


4人は悩む


「確実に司祭が出てくるでしょうしねぇ、、」


ケルトが悩みつつそう零す


「そして最大の関門は聖女やな、おそらく聖女はエルグの傍におるはずや、それをどうにかせにゃ勝ち目は無いなぁ、、、噂の人器も

ケルト様の記憶が戻らんけ無理やしなぁ」


ライネルはそう愚痴をこぼす


「貴様!ケルト様が悪いとでも言うつもりか!」


ギルディアはいきり立ってライネルに言う


「まぁまぁ、落ち着けや、しかし実力的に考えりゃ、俺は司祭の足止めだろう」


ゴーラが落ち着かせながら話進める


「ワイも同じくやな」


「私も同じになるだろう」


ライネルとギルディアも同意する


して残ったケルトは


「そしてケルト様には、、、聖女を倒して貰うことになる」


「えぇ、、?」


ケルトはかなり困惑している


「とは言いましても、私の実力はA級パーティクラスですので、S級と呼ばれる聖女に敵う気はしないのが本音なのですが、、、、」


「いえ!倒すと言っても時間稼ぎでいいのです!私たち全員が揃えばエルグを奪還することも可能でしょう!ですので守りに徹するのでも良いので時間を稼いでもらいたいのです!」


ギルディアが必死に懇願する


「う、うーん?分かったよ私もエルグは絶対に助けたい、大切な仲間なんだ」


ケルトは悩みつつも決意固める



◇◇◇


4人が進んでいると、目の前に1つ人影が見えた


「やぁ?待ってたよ魔道帝国宰相ギルディア」


1人の聖騎士が腰に神々しき剣を携えて現れた


「あぁ、先日ぶりだな司祭ヤイバ」


ギルディアが全員より1歩前に出る


「前回の続きといこうか?」


ヤイバが剣を抜く


「あぁ、貴様の態度が気に食わんので叩き直させてもらおう」


ギルディアとヤイバは異空間に飲み込まれる

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