第40話 大賢者の忘却


「ん?、、、私は、、、」


「おぉ!!目覚めましたか!!」


ギルディアは喜びのあまりかかなりのテンションで大賢者が目を覚ましたことを喜ぶ


「体調はいかがでしょうか!?」


「おいおい、怪我人だぞ、もっとていねいにだなぁ?」


ゴーラははしゃぐギルディアをなだめようとするも


「すみません、私は何なのでしょうか?」


「「「はい?」」」


全員の声が重なる


◇◇◇


「き、、、記憶が無いィィ?!」


ギルディアは驚きのあまり奇声をあげその場な倒れる


それをワイドがさりげなく支えその場に回復体位で寝かせる


周りの微妙な雰囲気を見て


「は、、はい、申し訳ない限りです、、、」


少し困りながら反省を表す姿は、何を考えているか読めない不気味な大賢者と言うよりかは

普通の魔道士のようで、、似ても似つかない


「はぁ、これじゃあエルグのことは手詰まりかぁ」


その名前を聞いた時、大賢者は明らかに反応する


「エルグ?エルグと言いましたか!?」


その反応にゴーラは問う


「エルグを知ってんのか!?」


大賢者は頷きながら答える


「ええもちろん!なんせ私たちのパーティの聖騎士ですから!!」


片手を胸に当てて自慢げに答える大賢者の言葉に全員が首を傾げる


「「「「聖騎士??」」」」


事情を聞くと、エルグは〈聖守〉という天啓を持っておりその力は守ることにおいて絶大な

神聖を得るというもの


「いうてもエルグは暗黒騎士やねんなぁ、、」


大賢者が少しキョドりながら聞き返す


「あ、、あ、あ、暗黒騎士!?エルグに何があ

ったのですか!?」


大賢者はベッドの上から飛び起きながら聞き返す


「それはウチらも知らんけど、あいつどう見ても暗黒騎士やで、神聖なんて欠けらも無いぐらい真っ黒な」


大賢者は顔を落としながら縋るように聞く


「え、エルグはどこにいるのですか?それに他の仲間の姿も見えないのです」


周りは目を見合せ、1番目を合わせるのが送れたライネルに視線が集まる


「えぇ?ワイに言わせるんか?これ、、、」


ライネルは渋々と言わんばかりに語り出す


◇◇◇


「で、ここに至るっちゅうわけや」


一連の流れをかなり尽くしひと段落着いたが

大賢者、及びケルトは驚きのあまり頭を抱えてい


「そんなことが、、、」


その表情は困惑と不安が伺える

少しの間静寂が訪れる


「にしても、どうしたもんかねぇ」


ライネルはふと言葉をこぼす


「どうしたって、どうにもなぁ?」


ゴーラはアイラに目配せをする


「そうやね、、、聖女に会おうにもウチらなんかが会えるわけないし、会ったところでどうしたもんかねぇ」


「ほんまにそうやねんなぁ、てかいつまで寝てんねんはよ起きや」


ライネルは指先を電気に変えてギルディアをつつく


「あばばばば」


意気消沈の中、急に食らった電撃に痺れる


「何をするんだ?!」


ギルディアは飛び起きながらライネルの襟を掴む


「やめいや、今そういう状況ちゃうねん、これからどうするって話やねん」


「そんなもの1つしかなかろう!こんな状態の大賢者様を連れ帰ってもどうにもならない!ならばエルグという男をとっちめることが最優先だ!」


その言葉にライネルはため息を混じえながら話す


「いやなぁ、エルグにそんなことさせるわけないやろ」


その言い方に違和感を覚えたギルディアは聞き返す


「まて、エルグ様だと??」


ライネルは天を仰ぎ清々しいまでに言いきる


「そうや、エルグ様や、ワイが死に体の時に圧倒的力によってワイを助けてくださった神様や」


周りは不思議そうに首を傾げ、ケルトは同意する


「そうです!エルグは凄いんですよ!誰よりも愛情深く、パーティメンバーを傷つけた事など1度もないのです!!」


傷つけられてるんだよなぁ、、、、


そんな空気が漂う中でライネルはケルトに向き合い


「前のあんさんは気に食わんけど今のあんたなら分かり合える気がするわァ!」


「ええ!私も最初は少し苦手な意識がありましたが貴方ほどエルグを信じる人は見たことがありません!それだけで信用に足るというもの!!」


とんでもない化学反応により、ライネルとケルトが手を取り合っている


その状況にその他全員が困惑した

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