第16話 目が覚めたら脱獄してたんだが!?

、、、、、、、


俺は暗闇の中で目を覚ます

メルギァに殺されたかと思ったが、どうやら捕まっていて尋問?されるのだろうか。暗闇の中で気色の悪い声が聞こえた、すると扉が開きメルギァが入ってくる、忌々しげに俺の顔を見ながらニタァと笑う。そして手をかざしてくる。


そうすると俺の意識は薄れていき。目が覚めれば戦場にいた、体は思ったように動き、連合軍の敵を殺す。今までのどんな時よりも調子が良く、魔力が溢れてくる。これなら世界を救える!戦場では全身全霊を尽くし、敵を殺す。


するとあるパーティと相対する

俺の顔を見た瞬間、ヤケに苦しんだ顔をした奴らだ


剣士に魔術師に治癒士、守りに欠けたパーティのようだ。俺は武技〈盾斬〉で牽制しつつ、剣士を凌ぐ、どうやら魔術師は俺に魔法を使って来ないようで、味方にバフをかけているだけだ。剣士は凌ぐだけで攻めてこず時間ばかりが過ぎる。俺はふと思いついた言葉を吐き出す、それは罵倒だ。言葉は流れるように出てくる、一言放つ度に剣士は隙が生まれて面白いように動きが鈍る


あと少しの所で相手に援軍が来る

連合軍のやつらだ。連合軍が来た瞬間何故か

あの3人は絶望した顔だった。それがなんとも

悲し、、ん?嬉しいの間違いだな

どうやらあの3人は奇襲部隊だったらしく

俺はその場から飛び退くように逃げた



しかし戦場ではどうやら我々が勝利したようだ

敵は撤退を始めていて、初の戦場で白星をつけることが出来た。


俺はそれから、戦果を挙げた。暗黒騎士でも優秀であると判断されたのか魔王様の近衛軍の一員として貰えた。あまりの嬉しさに何人も連合軍の敵を殺したのを覚えている。そうだなんにんも


◇◇◇



「はぁっ!」


俺は身体中にベタつく汗をかきながら飛び起きる。


とてつもなく悪い夢を見ていた、、、


俺は鳥肌が立つのを感じながらも、周りを見る。

どうやら馬車の中のようで、馬の蹄鉄の音がパカッパカッと聞こえる。


「すぅ、、すぅ、、、」


俺は寝息を耳にしてふと自分の傍にいる人物を見る。

魔族の少女が猫のように体を丸めて寝ている。

しかし目元は少し腫れているようだ。



すると馬車の周りを護衛していると思われるワイドが物音で気づいたのか、馬車の中を確認して起き上がった俺を見て驚きながらも言う


「エルグさん!?目が覚めたのですか!ゴーラさーーん!エルグさんの目が覚めましたよ!」


その声を聞いたゴーラが素早い身のこなしでこちらまでやってくる


「エルグ!!目が覚めたのか!?」


そのバカでかい声に耳を塞ぐ。

俺の様子を見て遠くからケラケラと笑うアイラの声が聞こえた


「あぁ、お前のせいで最悪な目覚めになったがな」


俺は軽口を叩きながらも状況の確認をする

するとゴーラは1度少女に目配せをしてから話し出す。どうやギルディアが倒れたあと、激戦のあまりに俺は気絶していたらしく、それを見た魔族の少女がしくしくと泣きながら俺にピッタリとくっつき離れようとしなかったらしい。それを見たゴーラが満身創痍の中、俺と魔族の少女を運ぼうとしたところ、レジスタンスの面々が助けに来たらしく、俺と少女を見たレジスタンスのメンバーは驚き警戒して連れていくのを渋ったらしいがゴーラが「こいつは命の恩人だ、だから安全な場所で傷が癒えるまで休ませて欲しい」と懇願したらしい。そのため俺は治療を受けて、監獄から脱走してからの3日間ずっと寝たきりだったらしい。


俺はそれを聞いてゴーラにお礼と謝罪をする

「ありがとうゴーラ、そして悪い、迷惑をかけた」


俺が頭を下げるのを見たゴーラはガッハッハッと笑いながらも言う


「気にすんなよ!兄弟!お前のおかげで俺達は脱獄できたんだ!ここいるヤツら全員の恩人を捨てて帰る訳ねぇだろ?」


ゴーラはレジスタンスのワイドに腕を回して言う

ワイドは少し苦笑いながらも同意する


「もちろんですよ!私たちは貴方が来たおかげで助かったんですから!」


それを聞いて俺は安心と共に大きく安堵する


「そうか、なら良かった」

俺はそう言いながらも腰を下ろす



「にしてもここにワイドがいるってことはレジスタンスの一員だったのかい?」


俺がふと疑問に思いそう聞く

ワイドとゴーラは笑いながら肩を組む

そしてワイドが言う


「ええ!エルグさんのおかげで!!暴漢に襲われたのをエルグさんに助けていただいたあと、アイラさんに誘われて」


俺はそんなことがと呆気に取られているとアイラが近づいてきていう


「まぁ!何!ウチの審美眼に間違いなく!こいつはちゃんと仕事してくれるかんなぁ!」


アイラはケラケラと笑いながら言う


そんなアイラを見てゴーラが言う


「なーにが審美眼だ!そいつは天啓の力だろ?」


それを言われたアイラが気恥しそうにゴーラに言う


「ちょっと!乙女の秘密をばらさんといてや!」


「天啓を持っていたのか!どんな天啓なんだい?」


俺はそれを言われてふと聞いてみる。

アイラはあーっ言うてなかったな!とケラケラ笑いながら話だす


「ウチの天啓は予知や!」


「ウェ?」


俺は凄い名前の天啓に変な声が出る


「まぁ予知って言うても使い勝手の悪い欠陥もんやけどな!」


アイラは笑いながら言う。それを見たゴーラがフォローに回る


「だが今回の脱獄でのMVPはこいつだぜ!なんたって」


とゴーラはペラペラと話し出す。

予知によって最も脱獄の成功率が高い日を考えたのもアイラで、仲間を集めたり、作戦を決めたりと全ての行動においてアイラは成果を収めてきたらしい。


「やめてや親父、でもそれで言うんならエルグ、あんたのおかげやで」


アイラが照れた顔のまま話す


「ウチらだけで脱獄しようもんなら、半数が死ぬかまた投獄されてたんよ、でもエルグあんたが来てから予知の可能性で誰も死なずに脱獄出来るのが見えてん」


俺はそれを聞いて、だから仲間に誘ったのか!と1人納得する


「やからな!ありがとう!エルグ!」


そう少し照れながらも明るい笑顔で微笑むアイラに少し胸がドキッとした


それからたわいの無い話をして夜になって行く。

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