第10話作戦の実行をするんですか?!

俺は状況を理解出来ていないがすぐさま行動に移る。近くに居る看守に声をかける


「おい看守!」


看守は急に呼ばれたことに驚き振り向く

その振り向きざまに俺は檻を破る


「なっ!」


看守が驚くうちに俺は身体強化を使い体に暗黒のオーラを纏う、そして看守の腹に一撃ぶち込み、気絶させる


未だに騒ぎは続いている。俺は1番房に向かい走り出す。道すがら通り過ぎる看守は全て暗黒のオーラを帯びた俺を見て驚愕し何人かがこちらに向かうが、身体強化により強化された俺の脚力には到底及ばない。俺は破竹の勢いで看守を避けて走り、その勢いのまま懲罰房の扉を蹴り飛ばす。


中央には変わらず魔力を奪う円柱が紫の光を漂わせている、前見た時より紫の光の本流が激しく感じる。


「魔力を多く吸収するのか?」


俺は身体強化を使っていても、かなり根気を入れなければ魔力を奪われそうになる。


俺は気を入れて気張りながら、部屋の円柱を見る


「この円柱から魔力が運ばれているなら、これを砕けばッと!」


俺は身体強化を集中させて円柱に拳を上から振りかぶる、メギャァッ!と音をたてて円柱は縦に割れる。その瞬間、割れた部位に向かった魔力の本流と強力な吸引により、円柱の中に吸い込まれる。


「なっ!【不動の聖壁】」


真っ暗な視界の中、俺は不動の聖壁を発動して自分を守る。暗黒の膜に包み込まれた俺はは曲がり角などにぶつかりながらも広い空間に放り出される。


ドシュッ!


かなりの勢いで射出されて、地面に聖壁ごと埋まるが俺はスキルを解除して、よじ登り周りを見渡す


俺はその風景に呆然とさせられる


その空間はドーム状になっており、壁には多くの円柱が生えていて、紫色の光、恐らく魔力が中央に向けて放出されている


そして何より中央には一際大きな円柱と、それに括り付けられている一人の少女の姿があった


ボロ布のようになった服の上には何本もの管により拘束されている


俺は話に聞いていた人物が彼女であることに気づいた


俺は彼女を助け出そうと身体強化で走り出すが、周りから噴出される魔力により高濃度の魔力の層が出来て、上手く前に進めない


「ぐっ、、これほどの魔力、どこから、、」


彼女に向けて放出される魔力は彼女を通して巨大な円柱に吸収されているようだった。


俺が近づくにつれて彼女の姿が明瞭になっていく


紫色の髪、白い陶磁器のような肌、そして何より目を引くのが


「2本のツノ、、!」


俺はその姿から彼女が魔族であることを理解する、しかし


「こんな所で、捕まえられてるなんて、、」


只事でないのはよく分かる。


俺は覚悟を決める


「身体強化とスキル【聖なる鎧】!」


俺の体を暗黒の鎧が包み込み、暗黒のオーラが身から溢れる


俺はスキルが発動し切ったのを確認して、全力で走り出す、スキルを使ったからか多少はマシだが、中央に向かうほど魔力の層はキツくなる


だがしかし


「彼女を助けると決めたなら、負ける訳には行かなァあい!」


俺は根気をふりしぼり彼女の元まで走る


限界ギリギリで中央の円柱まで到達し、

俺は最後の力を振り絞り

彼女の身を縛る管を引きちぎり、そして支えがなくなり落ちてくる少女を腕に支える


俺は気張りすぎたのか、その場で倒れ意識が朦朧とする、、、、、そして微かに声が聞こえる


「パパ?」

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