第54話司祭アツク
ライネルが先導し、先を進む
辺りは入口とはガラッと変わりいくつもの騎士の鎧が置かれていて最深部に向かっているようだ。
走りながら移動する全員は1つのことを胸の内に秘めている。それはギルディアがヤイバと戦っている、その事実が
全員を急がせる。
すると1人の初老の神父が現れる
「こんな時間に、こんな場所に、何用ですかなっ?」
聖書を胸に抱き、全員を見渡す。
そしてライネルを見た瞬間
「あーー、そいうことか」
雰囲気がガラッと変わる
穏やかで和やかな様子から一変して、苛立ちを孕んだ様子で全員を睨み渡す
そしてライネルは全員より前に一歩踏み出す
「まっ!そういうことや!手な訳でワイに任せて先行きな!」
ライネルはしっしっ!と手で払い除けるようなジェスチャーをしてアツクと相対する
「行かせると思うか?」
段々と周囲の温度が上がっている
バチッ!バリリ!
「できるんか?ジジイ?」
その様子を見たケルトはゴーラと自身を結界で守り横を通り過ぎる
「任せますよ、ライネルさん」
「おう、任されたで」
2人が先に進み、見えなくなったぐらいで
アツクが言う
「貴様、やはり何か掴んでいるのだろう?」
地に響くような低い声でアツクは言う
「なんのことや?前にも言うたでジジイ、耄碌したんか?」
小馬鹿にする態度に周囲の温度が更に上がる
そして熱の発生源であるアツクは赤く染ってきている
「ああ、そうか、、、ならば無理矢理聞き出そう!」
瞬間、雷が貫く
「ジジイ、やっぱボケたんとちゃう?」
ライネルの一撃が当たったかに思えたが
「黙れガキが、、ッ!」
服が熱により焼け焦げて、内に着用している
白銀の装備が目に入る
一般の防具とは違い、魔道具のような部分があるも、祭典にて用いられるような教会的な紋様も掘られている
「はぁ?ジジイ、なんなんその祭祀具?」
ライネルは明らかに面倒くさそうに言う
「貴様とやるのは想定していた、だからこそその雷を防ぐ為にだ」
腹を立てつつも、ライネルを見据えている
「チッ!ダリィな!」
ライネルは服の
懐からいくつかの針を投げる
「搦手か?しかしこの私に聞くとでも?」
しかし高熱によって形を失い、飛散する。
「んなん、知ってんねんジジイ」
バリリッ!バチィ!
ライネルは1度大きく後退する
「なんだ?日和見か?」
バチィ!バリリリリ!
「〈電掌〉」
雷により加速したまま、肉体に戻り掌底をアツクの腹に決める。
「グォッ!」
油断していた為に食らった一撃にて口から血液がこぼれる
「おっ?耐えられたんか?ジジイも硬いねんなぁ」
ライネルは片手をぷらぷらと振りながら言う
その手には魔術的な手袋が着けられている
「ギッ、貴様も魔道具を゛」
「おっ?分かるんやな?正解やでぇ?」
ライネルは悪辣に笑う
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