魔道帝国編
第4話 あっという間に投獄されたんだが!?
俺はすぐさまに否定をする
「よ、容疑!?なんの事だ!」
俺は声高に声を上げる
しかし男は
「ほう?ならば言ってやろう、まず1つ目が貴様が魔の森の防衛の為の裏門でテントを張っていたことだ」
俺は反射的に声を上げる
「そ、それがどうした!!」
男はキリッと目尻を上げてこちらを威嚇しながら言う
「そして昨日、我らが魔導帝国ではこのようなご下命が大賢者様より下った」
男はある1枚の紙をこちらに見せつける
そこには
「魔王軍との戦いにより数多くの魔族や魔物が点在する状況にあり、厳重な注意が必要となる、そのため裏門での通行ルートは原則昼間のみの運用が許される、しかし魔物や魔族その中でも暗黒騎士は優れた擬態能力があり、一般の市民に紛れて潜伏することが可能であるため、入国審査や不審な者を見つけた場合すぐ様に検査を行うこと」
と書かれてあった、つまりそれって、、、
俺は途端に顔から血の気が引くのを感じる
男は鼻で笑いながらこちらを見て告げる
「あぁそういうことだ、貴様からは暗黒騎士の魔力が検知されている、それが最も重大な容疑である」
俺は反抗的な態度も取れず呆気に取られていた
男はそんな俺を見て確定だと言わんばかりに
報告書と思わしき紙に記入し見せつける
「暗黒騎士との繋がりがある貴様のような者はすぐ様に投獄してやる、どうした?感動のあまりに震えが止まらないのか?」
俺は考えることをやめた
◇◇◇
俺は次の日に堅牢な鉄の馬車に引かれて監獄まで連れてこられた
あまりにも巨大な監獄には威圧感というか殺気のようなものまで感じる
馬車から出され中に入ると見たこともないような魔道具が並んでいてその横には何人もの検査官が鎮座していた
そして様々な魔道具による検査を行われた
そしてその後には無限にも感じる廊下を歩かされて牢屋の中に収監される
「せいぜい後先短い人生を楽しむんだな!」
牢屋まで付き添った尋問官の男はそう言い残し去っていった
俺は絶望のあまり何も出来ずにいた
その様子を見た反対側の房の女が声をかける
「おいおい新入りどないしたんよ?、そんなにへこたれて?」
女はやけに高いテンションで俺に聞いてくる
なんか既視感あるなお前
「あぁ、、、?そうだな、気がついたら犯罪者になってましたって言われて絶望と達観で何も感じなくなってる途中だ、、、、」
俺は投げやりにそう答える
女はそれを聞いてケラケラと笑いながら言う
「けっけっけ!そんなわけあるかよ!ここは重犯罪者だけが囚われる魔導大監獄随一の3番房やで?そんな気がついたら犯罪者になる程度の冤罪でいれられるわけないのだわ!」
女は小馬鹿にしたように言ってくる
俺はそれにカチンっと来て言い返す
「んなもん知るかよ!旅して裏門で寝て朝目覚めたら留置所の中で!何にも理解できてねぇんだからよ!」
と、暗黒騎士である事を隠しながら言う
女はそれを見て目つきを細める
「ほぅ?お前裏門から来たってことは森の中を通って来たってことか?」
女は品定めするように聞いてくる
俺はその相貌の変わりように驚きながらも言う
「あぁ、そうだよ1人寂しく旅してたんだよ」
俺がそう言うと女はニヤリと笑う
そして小さな声を漏らす
「これならできる、、、」
そう聞こえた
俺は声が小さかったので反射的に聞き返す
「今何か言ったか?」
そう聞かれて女は正気に戻ったように声を出す
「ん?いや気にするな、それよりもだ」
女は話を切りかえてこちらに問いかける
「お前、ウチの仲間にならねぇか?」
女は俺の目をじっと見ている
投獄されたら仲間に誘われたんだが?!
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