第5話 投獄されたら仲間に勧誘されたんだが!?
俺はそこまで急に勧誘することについて驚き
淀んだ気分が紛れた、驚きのあまり興奮しているのか動悸が早くなっているのを感じる
「なぜ、そんなに仲間になって欲しい?」
俺は動悸が落ち着かず、声色を下げて言う
女はこちらを品定めするような目は変えず
話を区切る
パンっ!
「まぁ!話はあとだ!もうすぐ昼になる、だから食堂に連れていかれる、そこで話を続けよう!」
女は急に手を叩き、話を変える
俺は結論を得られなかったことに少し懐疑心を持ちさらに問おうとするが
ぐぅぅ、、、
「そういや、朝から何も食べてないや、、、」
俺は腹が減っていたようだ、気恥しくて顔をあげられずにいる。女はこちらを見てケラケラと笑っていた
それからしばらくもしない内に看守が来て
数人ずつ牢屋から出して食堂に連れていく
俺も同様に連れていかれた
独房の道を抜けて何も無い炭鉱のような道を通ると少しばかりの喧騒が残る食堂に着いた
そこはカチャカチャと音を立てながら食べる音に紛れて話し声が至る所からしていた
看守は食堂への列に並ばせ巡回に戻って行った
俺は食堂の列に並び暫く待つと自分の番が来たがどうやら人が作ってはいないようで魔道具が自動で調理したものを囚人に出しているようだ
俺はその料理を見て少し驚く、監獄と言われるのだからもっと酷いものかと思ったが比較的にまともで、主食に汁物と主菜が着いていた
ライスとコーンスープと何かの練り物
以外に悪くは無い
俺は空いている席に座り黙々と食べていると
「おい!そごのヒョロガキ!飯を寄越じな!!」
やたらと柄の悪くガタイのいい男が痩せて細い男にそう命令していた
痩せた男は萎縮しており、食べ物が奪われるのを黙っていた。ダメだなこういう時は体が勝手に動いてしまう
「おい、そこのお前」
と俺はガラの悪い男に声をかける
男は舌打ちしながらこちらを見る
周囲からは品定めするような目や、睨むような目など様々な感情を感じた
「なんだでめぇ?」
男はのっそのっそと振り返りこちらに寄ってくる、睨みつける目は変わらず身長の差により
少しこちらが見上げる形になる
俺は鼻で笑いながら言う
「他人から乞食しなきゃ飯も満足に食えねぇのか?お前の罪状は窃盗罪か何かか?」
俺がそう言うと男は二の句も告げず殴りかかってくる
俺は反射的にそれを避けて横っ腹に一撃決める
男は反撃を食らうと思っていなかったのか
苦しそうに呻き声をあげる
「ヴ、ぅぉう」
男は片膝をつき脂汗をかいている
俺はその男の前に立ち、睨みつけながら言う
「続けるか?」
俺のその言葉に少し怖気付きながらも、男は
震える膝で立ち上がる
「おいおい?膝が震えてるぜ?産まれたてのオークか?」
俺はそう笑いながら言う
男はその言葉が苛立ったのか大振りに拳を振り上げる
俺はそれを余裕を持ち避けて、膝を蹴る
男はそれにより立っていられず激しく倒れた
俺は状況が理解出来ず棒立ちになった細い男に近づきながらも声をかける
「大丈夫か?」
俺は声をかける
男は少し怯えながらも震えた声で喋り出す
「あ、あぁ、助かったよ」
俺はそれを見て少し安心しながらも続ける
「俺の名はエルグっていうんだよろしくな」
細い男が名前を言う前に周りの観衆が歓声をあげる
「やるじゃねぇか!」「よくやったぞ!」
「あいつ煩かったんだよ!」「いいぞ!新入り!」
その喧騒に少し驚きつつ、酒場と大差無いなと感じながらもう一度名前を聞く
「君の名前は?」
細い男は少しおののきながらも告げる
「ワイド、、、ワイドだ」
俺達は握手をし、その場から戻り席に座ろうとするが
「初日から騒ぎとは関心だな、その図々しさはこちらも見習いたいぐらいだ」
そう皮肉混じりに看守が現れ、俺の手首に
手錠をかける
「お前は三番房でさえ生ぬるいようだな?」
俺は自分のやらかした事を自覚して顔色が青ざめるのを感じる
遠くから女がケラケラと笑う声が聞こえる
看守はそんな様子など気にもとめず
「懲罰房へと移動だ、さっさと動け」
投獄初日から懲罰房に行くことになったんだが!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます