第21話 間話 パート ゴーラ 2

俺がエルグを抱えると、瓦礫の奥から魔族の少女が現れた、そしてエルグを1目見ると途端に泣き出し、エルグに抱きついた。「パパ、、パパ」と呟いてる。「こいつ魔族と結婚したのか、、、」と一瞬冷静になったが、「まぁ暗黒騎士だしな」と納得した。



とりあえずこの場に長いする訳にも行かないため、俺はエルグと魔族の少女を抱き上げた。魔族の少女は魔族特有の怪力でエルグに抱きついており、瀕死のエルグにトドメ刺すんじゃねぇか?と一瞬不安になったが、前から急に聞こえた足音に反射的に身構える。


しかし俺は聞き覚えのある声に耳を澄ませる


「ゴーラさーーん!」


俺は手を振りながら走ってくるレジスタンスの面々の先頭にいるおとこが目に入る。


「ワイド!」


俺は意外な男の姿に驚きながらも安堵する。

そして後ろからレジスタンスの精鋭が俺たちの安否を確認する。


俺は抱えていたエルグと引っ付いている少女を彼らに渡した。離れない魔族の少女に苦戦する精鋭たちを横目に、レジスタンスの面々が待っている場所まで向かうと全員に伝える。

全員で走る。


俺はふとアイラのことが気になり

ワイドに託したアイラの安否を確認する


「アイラは大丈夫だったか?」


ワイドは急な質問に驚きながら答える


「はい、安静にしてれば大丈夫なようです」


そう言われ安堵したが、ワイドはそれよりも

と切り返した


「エルグさんと貴方の方が重症ですよ、身体中擦り傷や打撲、数える方が億劫になる程ですよ!」


ワイドは少し怒りながらも言う、俺はそんなふうに言われるのはアイラを以来だと少し笑う


「笑い事じゃないですよ!!」


そう言われ更に笑う


◇◇◇



しばらくしない内にレジスタンスの面々と合流した、怪我だらけの俺とエルグ、更に魔族の少女を見て3段回で驚いていて少し面白かった。医療陣に応急処置を受けて、脱獄に向かうことになった。看守は軒並み倒したので、後は逃げるだけだ。ここを出て、山に向かうと外で残っている仲間が脱獄用に行商用の1団に変装してある馬車がある。


その後は滞りなく入口から脱獄した。魔力の供給が途絶えている事と、今日は人員が国外に割かれている事が大きな要因だ。俺たちは脱獄に成功した。喜びからか、もしくは自由を得たからか有り得ないほどの興奮に包まれている。


興奮ゆえか足は止まらず山に向い、馬車を用意してくれた仲間と合流する。


俺達を見つけた仲間達は驚きながらも涙ぐみ、

俺たちに抱きつく、そりゃそうだ、ここに居るのはデモの戦闘に参加出来ない女子供達だ。


レジスタンスの中には妻子を持つものだって多くいる。長い間会えなかったんだ、そりゃそうなるか、俺は1人納得しながら上をむく。


しかし悠長にしている訳には行か無いため、再開の感動を分かち会う前に俺たちは移動を開始した。その頃にはアイラが復帰してレジスタンスの配置を決めるなど八面六臂の大活躍だったさ。


俺はアイラに、怪我人は黙って寝てろ!っと怒鳴られて、エルグ達と一緒に医療用の馬車に入れられた。


次の日が来て、何か手伝いたかったんだが、過保護な娘によりけが人は寝てろ!と怒られて飯を食べて、寝てを繰り返す日々が3日ほど続いたある日。

「ゴーラさーーーん!エルグさんが目を覚ましましたよ!」

ワイドの叫び声が聞こえた、そして俺はその場を駆け出し、声が聞こえた方へと向かう。すると直ぐにワイドの姿が目に入った。


そして馬車の窓からは起き上がったエルグの姿が見えた。


「エルグ!!目が覚めたのか!?」


俺はついとてつもなくデカい声を出してしまう。そんな俺の声に耳を塞ぐエルグ、その様子を見たアイラの笑い声が後ろから聞こえた。


エルグは笑いながらも答える


「あぁ、お前のせいで最悪な目覚めになったがな」


俺はそれを聞いて豪快に笑う。そしてエルグは現状を尋ねてきた。俺は今まであったことを話すとエルグは頭を下げる。



「ありがとうゴーラ、そして悪い、迷惑をかけた」

俺はエルグが頭を下げたのを見てガッハッハッと笑いながらも素直な気持ちを伝える


「気にすんなよ!兄弟!お前のおかげで俺達は脱獄できたんだ!ここいるヤツら全員の恩人を捨てて帰る訳ねぇだろ?」


俺はワイドにの肩に腕を回して言う

ワイドは少し苦笑いながらも同意する


「もちろんですよ!私たちは貴方が来たおかげで助かったんですから!」


ワイドは少し驚きながらも答える


「そうか、なら良かった」


エルグは腰を下ろしてそう答える

そして不意に聞いてくる


「にしてもここにワイドがいるってことはレジスタンスの一員だったのかい?」


ワイドがふと疑問に思ったのかそう聞いてくる

俺たちは笑いながら思い出話と俺たちの身の上を話す。そんな話を繰り広げて、俺たちは確かな仲間なんだと再確認する。


そうして時間が過ぎて夕陽は沈む。

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