神聖王国編
第22話 新しい都市が見えてきたんだが、、
俺たちは魔道帝国の監獄を抜けて、行商の一団に扮して、あらゆる民を受け入れると噂の聖都に向かっていた。どうやら新しく聖女となった人物は歴代最高と呼ばれるほどの人徳があり、全ての人種が尊重し合える世界を目指しているらしい。また女神信仰も厚く人種族にとっては楽園であることは間違いない。そう、、人種族に関しては、、、、
「どうするべきかなぁ、、、」
エルグは馬車の中で吐露した。
それはエルグのことをパパと慕う魔族の少女の事であった。彼女は喋れる言葉がパパしか無いため、意思疎通が難しく、どこで育ったのか?や親はどこにいるんだい?など質問しても「パパ!」としか答えず、この旅のひと月の間に
たくさんの言葉を教えて簡易的な意思疎通が出来るほどに改善したが、大した情報が得られなかった。
そんな日常が続いたある日
「おーい!ゴーラさーん!聖都が見えてきましたよー!!」
先頭で馬車を走らせるワイドの声が聞こえる
俺は好奇心に駆られて窓から外を覗く
「おぉ!」
俺はあまりの絶景に声を漏らす
輝く晴天のような壁に囲まれ、中心には小さな山があり、山頂には神々しくも初々しくも思える白璧の神殿、山頂には水源があるのか、そこから流れ出る水が国中を巡っている。遠くから見てもいくつかの巨大な施設があり、活気に満ち溢れているようだった。
「きれい!パパ!」
魔族の少女、最近ではエグと呼んでいる。
名付けの理由としては、王国式で親の名前から1部受け継ぐ方式を取り、俺の名前からあげた訳だが、これで本当に父親になってしまった。
結婚もしてないのに虚しいなぁ、、、
そんな俺を他所にエグは窓に乗り出し、神殿を指さして「おしろ!おしろ!」と粛々に騒いでいる。
「はいはい、エグ、あれはお城じゃなくて神殿って言うものだよ」
「いんでん?」
「違うよ、し ん で ん」
「しうでん!」
まぁ可愛いから良しとするか
俺がほっこりとしていると隣からアイラが話しかけてきた。
「最初の頃はなんもかんもレジスタンスのお母任せで、父親失格思てたけど、これを見ると随分と父親らしくなったなぁ」
とニヤケながら茶化してきた
「やめぃやめぃ」
俺は手で払うように否定するが
そんな自分でも心無しか否定できない部分がある事には気づいていた。
そして近づいていくにつれて俺たちは準備を始める。それは行商の一団に扮する事だ。
ゴーラとレジスタンスの精鋭達は雇われた傭兵
ワイドとアイラは商人
どうやワイドは商いの経験があるらしい
俺とその他大勢は商人見習いや、お手伝いなど
様々な役割な振られている。ちなみに俺は馬係
何故かって?
蹴られても問題ないからだってさ、、、
ちなみに俺の設定は妻を失い娘と旅をしていたが、路頭に迷っていた所を救われた冒険者という設定だ。八割ぐらい違うけども都合がいいのは間違いない。
そうして準備が住む頃には聖国への入国審査の列に並ぶ。既にいくつかのキャラバンが並んでおり、この調子だと夕方ぐらいになると予想される。
この時間を使ってアイラとワイドは宿を取りに行った。どうやら俺たちのような商団に向けた大規模な宿があるらしく、そういった店の中でも国に認められた宿は入国審査待ちの列に営業できるらしい。どっちにしろ俺はエグと一緒に待つしかないんだがなぁ。
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