第44話 作戦準備
ある一室に、6人の男女が机を囲っている
1人は聖都随一の実力者ライネル
1人は魔道帝国宰相ギルディア
1人はレジスタンスの創設者ゴーラ
1人はレジスタンスの作戦担当アイラ
1人はレジスタンスの精鋭ワイド
最後の一人は勇者パーティの魔導師ケルト
彼らは今後の行動について考えていた
「とりあえず、聖女のことを探るのは確実ですね」
ワイドは場を仕切りながら話を進める
「せやったらワイは無理やなぁ、顔割れてるしなぁ」
ライネルは申し訳なさそうに頭を掻きながら言う
「であるならば、私とライネルは別行動で構わん、この都市にある裏についてはこちらの方が詳しい、なのでその方面で情報を集めてこよう、してケルト様のことだが、、、」
名を出されたケルトは困りながら言う
「いやぁ、私も面識があるようなので聖女については深入りできませんので、私に出来ることと言えばレジスタンスの魔道具の調整や整備ですかねぇ」
「それは本当か!?いやぁ!大賢者とも呼ばれる方が俺たちの魔道具を診てくれんならありがたいこと限りないな!!」
ゴーラは驚き半分喜び半分で言う
「いやぁ、趣味の範囲なのですが、、、、」
ケルトは消え入りそうに言う
「それならウチとワイドが神殿について直接情報集めるしか無いんかぁ」
アイラはぶすっとした顔で不服そうだ
「アイラさん、仕方ないですよ、適材適所ってやつですから」
ワイドはケアに入るも
「最近分かったんやけど、大賢者とか聖女程の実力者やと予知の正確性が下がるんよなぁ、取れる手段の範囲、言うなれば運命力が高いんやろうなぁ」
それにワイドは納得するも
「ですが、私たちだってメンバーは格段に強くなったのですよ!エルグさんを取り返すことも十全に可能なはずです!」
「そうだぞ!アイラ、俺たちは昔とはちげぇんだ今なら一国にも勝る勢いってやつだ!」
ケルトは手を挙げ、進言する
「作戦の方向性は見えてきました、でしたら
有用な情報を固めて行きましょう、まずお二人が視認した神器と呼ばれるものについてです」
ゴーラは顎髭を撫でて思案しながら話す
「あれは明らかに魔道具の範疇を超えてたるし、異空間に干渉できるもんなんざ、ほんとに神話の話だ」
「ウチもあれがある限り作戦の成功はグンッと低いと思う、予知で見れる未来にもあれの存在がチラつくんよ」
2人は頭を傾げて悩む
「ならば我々の人器を持ってくる他無いだろう」
ギルディアは口を開く
「神器を持っているのか?」
ゴーラは聞く
「神器では無い、人の器と書いて人器だ」
「それは一体なんなん?人の作ったんもてのは分かるけど」
ライネルが訝しんで問う
「人器〈超越魔導装置〉は初代大賢者様が考案され、そして生み出された人類の英知の結晶だ、効果としては魔力出力の増大、魔力吸収による所持者の負担軽減、魔法の圧縮だ」
「そんな凄いもんが、、、何で使わんかったん?」
ライネルは素朴に疑問に思ったことを聞く
「これは最終兵器だ、それに大賢者様にしか使えないように封印が施されている、これを取り出すには魔道帝国の宰相と将軍と大賢者の承認が必要だ」
「それならいけるんちゃう?残りは将軍だけやろ?」
ギルディアは首を傾げる
「それが難しいのだ、将軍は気まぐれで風のような女だ、実力は確かだがなんともな、
無理に強奪しようにも監獄とは比にならんぐらい厳重な場所に封じ込められている」
「はぁ?結局無理やん」
ライネルは呆れたように言う
「確かに無理がありそうだ、、、だが大賢者様の記憶がお戻りになれば可能性もあるのだが」
ギルディアはケルトを見る
「いやぁ、申し訳ありません、、、」
「いえ!決してケルト様が悪いという訳では!」
「とりあえず!!ウチらは聖女のことを知らないとなんもわかんないって訳やね?!」
アイラは話が逸れ始めたので強引に戻す
「ウチとワイドは表で情報収集!
ギルディアとライネルは裏で!
親父はレジスタンスに指示!
ケルトさんは魔道具の調整!
以上!」
アイラは話を終わらせる
「じゃあ!みんな!各自行動!」
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