第28話 消えたエルグ2
目が覚めると俺は、部屋の中に居た
セミダブルのベッドと、机と椅子、それだけしか無い簡素な部屋に俺1人だけ居た。
「ここは、、いったい、、、?」
俺は最近の記憶を辿ってみるが、、、
最近、、、の記憶?
「、、、なんだっけ?」
俺は思い出そうとしても、これといった記憶は思い出せなかった。
「とりあえず部屋から出てみるか」
俺は扉を開けようとするが
ガチッ、ガチッ
「あ、開かない?」
俺は自分が危険な状況にあるのでは?と
危機感を抱く
「まずい、とりあえず、無理やにでもっ!」
俺は身体強化でこじ開けようとするが、鍵が外からかかっているのか、開かない
それどころか、木製の扉のはずなのに、硬すぎだろ!!
「ど、どうなってんだ!?」
俺は焦りと苛立ちからか、扉を蹴り破ろうとするが
ドォォン
「響くだけで、傷一つ無いのかよ、、、」
俺はこれでもAランクパーティの聖騎士だぞ、、
それなのにこんな事も出来ないなんて、、、、
「?俺は聖騎士でAランクパーティに所属していた?」
どういう訳か断片的に記憶が思い出してきたみたいだ、、、
しかし自分の事や友人の事など、何も思い出せない
「うー、、ん?」
扉がガチャりと開く音がする、俺は身構えて
身体強化により白い魔力が身を溢れる
「おや?目が覚めたのかい?」
扉からは、緑の髪の理知的な男が現れた
その姿には好感が持て、ローブからその男性が魔術師であることか分かる。
「こ、ここはどこなんだ?お前は一体」
その言葉を聞いてその男は、しくじったなぁー
と少ししょぼくれた顔をしていた、何故かその表情に異様に庇護欲を持った。
「すまない、また失敗してしまった、、、ほんとにすまない、、、」
そしてしくしくと涙を流しだした。
その姿はある少女と重なった。
「うん?また何か、、、?」
俺がまた何かを思い出した姿を見て、男は
あちゃー、と悲しそうな姿から一転して、
悔しそうな表情になる
「まぁ、ある程度要領は掴んだし、かけ直すしかないかぁ」
俺はその言葉に、ものすごく恐怖心を持ち
男が開いた扉に向かって走り出すが
また体が動かなくなる。
また?俺はおなじ経験をしたことが、、、?
「こら、逃げちゃダメだよ、こっちを見て」
俺は言われるがままに男の方を見る
その男が手をかざす
それは前に見た夢と重なる
「や、やめ」
それにより俺は意識を失う
◇◇◇
とある酒場で、フードを被った女がある男と会っていた
「ほーん、それでワイに手を貸して欲しいってんのね」
その男は、黄色の髪に黒のメッシュが入っていて、瞳は黄色だ。服を着崩しはだけた服装でどこか掴みどころの無い雰囲気だ。
「はぁ、こんなんどう考えても厄ネタやんけ、儲け話聴いて来たんやけどなぁ」
男はわざとらしく頭に手を付く。そして指の隙間から女の目を睨む
「なぁ?魔道帝国宰相 厳命のギルディアはん」
その言葉に女は平然としながら言う
「ほう、私だと知っての態度だったか」
そう言いながらギルディアはフードをめくる
「まぁ、あんたはこっちでも有名やしな」
男はわざとらしく両手をあげて言う
「耳聡いやつだ、ならば話は早い、意味は分かるな?聖国一の
ギルディアはキツイ目つきでライネルを睨む
「そうかいその名前を出すんか、、まぁしゃーなしやで、あんたには貸しがあるからそれでチャラにしたる」
ライネルは手を出し、握手を求める
ギルディアは警戒し、睨む目付きがさらに厳しくなる
「なんや、ただの握手やで、契約が成立したらワイがやるようにしてんねん」
ギルディアが手を伸ばし握手するとライネルは手から電撃を放つ
バチィッ!
「っ!」
ギルディアは痛みはなくても
衝撃に驚き手を弾く
「いたた、なんや気の早い人やね」
ライネルはわざとらしく手を握り摩る
「何が目的だ?」
ギルディアは睨みながら言う
「なぁに、ただのまじないみたいなもんやで
気にすんなって」
ギルディアは睨みながらも依頼の内容を確認する
「もう一度言っておくが、貴様には大賢者様を正気に戻すために協力してもらう!いいな!」
ライネルは軽薄そうに笑いながら言う
「わかってるて」
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