概要
「きっと貴方は、木瓜になれましたね」
平成の終わりに現れて、そして令和になると共に姿を消した殺人犯がいた。
その殺人犯を誰が呼んだか――平成の透明人間。
平成の透明人間の最後の被害者を姉に持つ深山要(みやまかなめ)は、平成の透明人間について調べているという姫烏頭蒼雪(ひめうずそうせつ)に声をかける。
彼が平成の透明人間を調べているのは、かつての先生が平成の透明人間と目されていたからだという。
その先生、篠目秋則(ささめあきのり)の遺書にはこうあった。
木瓜咲かず。彼らの上に、花もなし――と。
その殺人犯を誰が呼んだか――平成の透明人間。
平成の透明人間の最後の被害者を姉に持つ深山要(みやまかなめ)は、平成の透明人間について調べているという姫烏頭蒼雪(ひめうずそうせつ)に声をかける。
彼が平成の透明人間を調べているのは、かつての先生が平成の透明人間と目されていたからだという。
その先生、篠目秋則(ささめあきのり)の遺書にはこうあった。
木瓜咲かず。彼らの上に、花もなし――と。
いつもありがとうございます、感謝です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人の美しさ、文字の美しさ
読書が苦手な僕が、引き込まれ二日で読み切りました。
大変なことです。
何回でなく幼稚でもない、日常から離れない慣れ親しんだ言葉を、それでもこんなに豊かに情景を表現される腕は、さすが、お見事という言葉しかありません。
事件の解を求めたい、沈んだものを浮かばせたいと追及する蒼雪くん。
彼が浮かび上がらせる、人の醜さと、美しさに魅了されました。
作中登場する能も文学も僕はこれまで触れてきていないので、
これらに触れたらまた感じるところが変わるのだろうか、と、挑戦したい気持ちにもさせてくださいました。
ともしれば暗いとも言える話なのに、こんなにも心躍らせてもらえて大変に感謝です。
読んでよか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!センテンスの連なりからあふれる抒情!
拝読いたしました。
Web小説としては、完成された文学としての域にあり、今作を読みながら、知的刺激を多く受けました。
一見なんの変哲もないような日常も、丁寧に、より強い想いを馳せることで、情緒あふれる描きかたを作者さまは成功されております。
本筋の謎解きの鮮やかさもさることながら、その世界に住む人たちの姿、心、在業や迷いなどを実体のある人物のように描かれる……その内面の奥の奥まで……それは見事というほかありません。
万人に、オススメしたい作品なので、ぜひとも読まれてください。
なお、今作には、夏目漱石の「こころ」が登場します。
漱石文学に親しまれた方のみならず、今作を読んで、「こ…続きを読む