花の扱い方、描き方が徹底されていて、特に秀逸だなと思いました。花に形容された登場人物の感情がとてもイメージしやすくて、すくすくと育つ花の成長を楽しむような感覚も覚えます。短編とはいえ一万字もあると腰を据えて読まなければと思ってしまうのですが、各話が端的に構成されていて、最後までテンポ良く読めました。もうちょっと読んでいたかったな、と思えるような作品です。読後感は、人に依りけりでしょうが、個人的にはハナマル満点でした。「この花の腐らせ方」この問いへの答えは、次の読者に託したいと思います。
花と恋愛をテーマに書かれた小説ですが、ジャンルが現代ドラマとなっているように幸せ一辺倒ではなく恋心の綺麗なところと、そうでないところをしっかりと描かれた作品です。言葉一つ一つがとても丁寧に選ばれているのだと伝わってくる作品。面白かったです!
少女の淡い恋心を軸に、高校生活の三年間を追ってゆく物語。二人にとっての三年間は、きっと夢とか幻とかと形容するような日々。痛みと戸惑いを伴いながら、蕾は膨らんで、やがて花開く。手に取るように想いが伝わってくる佳作です。