東雲そわ

全力恋愛！の謳い文句に嘘偽りはありませんでした。 一途に、死に物狂いで恋愛している二人に、心の底から感動しました。 この作品を「狂気」という言葉で言い表すのは簡単ですし、そう読め…続きを読む

お話の内容的には暗めの話で好みの作品とはちょっと違ったのですが、それでも星三つをつけるしかなかった作品です。 言葉の置き所がとても秀逸だと思いました。 最初はあえてチープさを演出…続きを読む

LGBTをテーマにした作品を読むときは「理解したい」という動機が少なからずあるのですが、この作品はそういった読者の行き過ぎたスタンスを正してくれる、あるいは否定する（良い意味で）よ…続きを読む

花の扱い方、描き方が徹底されていて、特に秀逸だなと思いました。花に形容された登場人物の感情がとてもイメージしやすくて、すくすくと育つ花の成長を楽しむような感覚も覚えます。 短編と…続きを読む

明日への活力をちょっと補充したい人とか、寝付きを良くしたい人におすすめかもです。

あまり深く考えずに「玉子焼きおいしそー」という感覚で読み進めていましたが、読後にふと考える瞬間が訪れて、あれこれ気になってしまうともう一度読み直してしまったりして、二度美味しいと思…続きを読む

抵抗感なく、違和感なく作品の世界観に入り込むことができる導入部分って、とても大切だと思っていて、その点に関してこの作品はとても秀逸だと思いました。ついつい手を伸ばしてしまうような、…続きを読む

非の打ちどころがない作品、という言葉をカクヨムのレビューで使うのは二度目（記憶している限りでは）なのですが、いずれも佐藤さんの作品に対して使っています。 軽々しく使う言葉ではない…続きを読む

メッセージ性の強い作品でした。 「伝えたい」という意志をしっかりと感じ取れるほどの丁寧さで描かれているので、これを誤読して作者様の真意を読み取れない読者はあまりいないのではないか思…続きを読む

飯を食って生きている人間を書くのって、簡単なようで難しいのです。 何かを食べるなんて、誰にでもできるし、今すぐにでもできることを、あえて小説の中で表現して何が面白いの？と思う人もい…続きを読む

斜線堂有紀先生の講評で、この作品の好いところが全て書かれていたので、正直もう素人のレビューで書けることが見つからないのですが、だからこそより多くの人に読んでもらいたいと思いました。…続きを読む

書くことの意味とか、目的とか、たまに見失うことがあるんですが、そういったときにまたこの作品を読みに戻ってくるような気がしています。 小説を書いてると、苦悩とか挫折とか、色々あると…続きを読む

アドベントカレンダーという物に馴染みがない人は、まずはそれをググるところから始めましょう。これがどういった物かわかっていないと、一話で読者側がコケます。 でも、それさえ理解できて…続きを読む

奇をてらうことなく、題材に対して純粋に向き合ったからこそ書けるお話。 読む人間の心をここまで和ませる「秘密」とは、なかなか出会えないと思う。 児童文学のお手本のようであり、子供…続きを読む

雨音のようにフラットな感情が、最後の一滴で溢れた瞬間、読者は感情の渦に飲み込まれます。

この溺れるような感覚を、ぜひ味わってほしい。

小さな命と、幼い命の、心のやりとりを描いた作品です。 読み進めれば読み進める程、より命に近づいていく感覚。 ペットを飼った経験の有無に関わらず、深く感じ入るものがあると思います。…続きを読む

等身大の中学生女子の葛藤と成長をつぶさに描いた珠玉の作品。 読者に親近感を抱かせる文章は、誰からも好かれる作品だと思います。 ここが始まりで、これからどんな物語へと続くのか。…続きを読む

本来、文字の羅列で完結する小説という創作物に対して、色を乗せるという難易度の高い試み。 それを見事に成し遂げ、淀み無く、溢れることなく、完璧に「調律」された稀有な作品です。 ただ…続きを読む

日常の欠片を一つ一つ拾い集めて、丁寧に紡ぎ上げた物語。 ふとしたことに気づかされたり、忘れていた想いを呼び起こしたり、読み手の奥底にある大切なモノまで拾い上げてくれるようなお話ば…続きを読む

何気ない一文の中に、それはあります。 ゾクっとするほどに感性を刺激する言葉の数々。 小説を書く者として、羨望を通り越して嫉妬を覚えるほどの文才を、惜しみなく発揮されている稀有な…続きを読む

あらすじやレビューには目もくれずに、まずは本文を読み始めて欲しい。 先入観なく、心構えなく、この作品を読むことで、きっと様々な感想を抱くことができると思います。 読み終えた後、他の…続きを読む

灰色の男が読者に何を齎すのか、読者がこの作品にどんな感想を抱くのか、もっと見てみたいと思いました。 読みやすく（誉め言葉）、考えやすい（最高の誉め言葉）、とても好きな作品です。 …続きを読む

愛らしくも不器用な男性が、奥さんに笑われながらも花を贈り続ける、ただそれだけのお話です。
花を贈り続けるその姿を、最後まで見届けて欲しい。

この関係性をどう言い表すかは、人によって意見が分かれると思います。

そしてたぶん、どれも正解で、どれも不正解。

色濃く、深い感情に満ちた旅路でした。

あまり多くの言葉は残せませんが、ありがとう、という言葉をこの作品に贈りたいです。

時に笑いを誘う一文で、時に涙を誘う一文で、それぞれ抱えている想いが違う家族一人一人の本音を引き出して、距離感の対比を巧みに描き切る手腕に脱帽です。 お話としてもとても面白かった。…続きを読む

これはとても個人的なことだけど、この作品にもっと早く出会えていたら、自分はもう少しいい人間になれていたかな、と思えるような作品でした。 冒頭の一文に、共感めいたものを感じた人は、…続きを読む

情景と重ねた心理描写が残酷なほどに美しく、何度も心臓を鷲摑みにされていた。 余計なものが一つもなかった。 足りないものも一つもなかった。 完成され過ぎた作品。 読後の感想を漏…続きを読む

印象深い、という言葉では到底足りない。 人が持つ感情の根源にまで訴えるようなお話。 ここに多くのことは書き残すことはできないけれど、冒頭、どこかへ誘われるような感覚を覚えた人は、…続きを読む

タグから連想するイメージを見事に裏切ってくれました。個人的には、タグで損をしているイメージすらある。 「暴力描写有り」となっていますが、ないに等しいです。 先入観なしに読んで欲し…続きを読む

晴れ渡った空のように朗らかな性格の主人公と、じんわりと染みる温かみのある博多弁で織りなす物語は、底抜けに明るく、時に繊細に、人の心を徹底的に描き切っています。 読後、題材から暗い…続きを読む

シンプルだけど、一貫して書き切るには難しい設定だと思いました。 それを最後まで違和感なく、粗を出すこともなく、書き上げる文章力に憧憬の念を抱かずにはいられませんでした。 読後は感…続きを読む

読後、これが死後の世界です、と言われたらきっと納得してしまう自分がいました。 天国と地獄の二択しかない退屈な世界よりも、人間らしさに溢れていて、そうあって欲しいとすら思えてしまう。…続きを読む

世界観の話ではなくて、人としてこうありたいと思えるような作品です。 世界の中では取るに足らないような些細なことでも、誰かにとってはかけがえのないこと、そのために一生懸命になれる人の…続きを読む

「人間」をメインテーマにした作品を集めることを主旨とした当方の自主企画にＳＦというジャンルで乗り込んできた数少ない作品、そしてもっとも人間らしさを感じる作品でもありました。 静的…続きを読む

言葉のチョイスと使いどころが秀逸過ぎて、笑いを堪えることができませんでした。笑えない現実を描いているのに、笑ってしまう。抗う読者をもそうさせてしまう、恐ろしいほどに卓越した文章力に…続きを読む

どこまでも静逸な文体で描かれるそれは、読後の感情全てに染み渡っていきます。 一つ一つの出来事を深く捉えると、こうも繊細に世界を描けるのかと、驚きと共に、感嘆せずにはいられませんでし…続きを読む

ここで書き過ぎると、作品を読む上でノイズとなってしまいそうなので、あまり多くは書けません。 彼女の姿を、最後まで追い続けてください。 周りにいる人々の行動を、最後まで見届けてくださ…続きを読む

「どれがオススメ？」と聞かれたら「全部オススメ。３回ずつ読め」と即答するレベルの短編集。 珠玉の作品が納められた宝石箱のよう（リスペクト彦摩呂 一つでも作品を読んだら、抜けられなく…続きを読む

読者の技量が試される作品、と言ってしまうと作者様を不快にさせてしまうかもしれませんが、実際はそうです。 誰もが答えを探そうとして、見つけられないまま、読者それぞれが作中にある「点…続きを読む

作品のタグに「悩み」や「憂鬱」とありますが、個人的にはそれらに屈することなく最後まで奮闘する５人の雄姿を描いている作品、と受け取りました。 一つ一つの所作や情景が色濃く鮮明に描か…続きを読む

家庭の守り手であるごく普通の主婦が、夢想の世界の守り手として活躍する（まだ連載途中なのでこれは予想）お話です。 これだけだと、ちょっと変化球なライトノベルと思われそうですが、雰囲気…続きを読む

その答えがわからなくて、何度も読み返してしまいました。 もしかしたら、もしかしたらと、読み返す度に印象が変わり、追体験のループにはまるような、深く考えさせられるお話でした。 淡々…続きを読む

拭い切れない不安を抱えながらでも、例えどれだけ遠回りでも、絶対にそこに辿り着くという強い想いに、心を打たれました。 そういった想いは必ず届くということを、改めて教えられたような気が…続きを読む

物語の内容もさることながら、それが恐怖の対象であろうと、造形美を感じさせるほどの圧倒的な描写力で、読者を釘付けにしてしまうその文章の力に震えます。 闇の中から徐々に浮かび上がって…続きを読む

作中の登場人物の葛藤がよく描かれていて、深い共感を呼ぶお話です。 優しさに限らず、「それだけではダメ」という場面は誰しもが経験することだと思います。 そういったときにどうするべきな…続きを読む

使い回しのシーンなんて一切ありません。 咲き乱れる戦闘描写に酔い痴れること必至です。 剣と魔法に銃弾も飛び交う疾風怒濤のバトルアクションが読みたければまずはこれを読め！とオススメで…続きを読む

幸福論の一つとして知られている言葉ですが、この作品を読んだ後にこの言葉の難しさをすごく考えさせられました。 シロクマと少女の対話を通して追体験するそれは、読者自身の過去を振り返らせ…続きを読む

今ある景色と追憶が折り重なる描写は温かみに溢れていて、その先をもっと見たい、もっと知りたいと思い読み進めていくと、気がつけば人が誰もが持ち得る不安定な心の表層を、淡い星明りを頼りに…続きを読む