今ある景色と追憶が折り重なる描写は温かみに溢れていて、その先をもっと見たい、もっと知りたいと思い読み進めていくと、気がつけば人が誰もが持ち得る不安定な心の表層を、淡い星明りを頼りに歩いている、そんなお話。読み終えた後にも、この作品そのものが心象風景として心に残り続けるような素敵な作品です。
丁寧な情景描写に引き込まれ、切なくも温かい過去の記憶を主人公と追体験した気持ちになりました。短い中に、しっかりと主人公の生き方のようなものを感じ、素敵で心温まる作品でした。寂しくなった時、また読み返しに来たいです。