"それ"が克明に描き出される度に深まる謎

物語の内容もさることながら、それが恐怖の対象であろうと、造形美を感じさせるほどの圧倒的な描写力で、読者を釘付けにしてしまうその文章の力に震えます。

闇の中から徐々に浮かび上がってくるように、細部まで緻密に描かれたそれらの姿は、不鮮明なシルエットではなく、生々しい肉として読者の脳裏に描かれます。

登場人物や舞台設定、一つ一つの言葉選びにも一切の手抜かりがなく、本格的な歴史・時代小説として楽しめる作品です。

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