人の本質をくりぬいて作った切り絵のよう

情景と重ねた心理描写が残酷なほどに美しく、何度も心臓を鷲摑みにされていた。

余計なものが一つもなかった。
足りないものも一つもなかった。

完成され過ぎた作品。

読後の感想を漏らすことすら烏滸がましいとさえ思えてしまう。
それでもこの作品のすごさを誰かに伝えたくて、知って欲しくて、今もこうして書かずにはいられない。