概要
いわく、学園の七不思議を調べると呪い殺される、と。
全寮制の男子校である月波見学園男子部で、中学部の生徒である竹村竣が雨の中死んでいた。
彼の死んだ旧校舎を調べていた外部生の姫烏頭蒼雪との出会いによって、佐々木実鷹は七不思議について考えることになる。
七不思議の呪いを信じる実鷹と、七不思議の呪いを否定する蒼雪と。
彼らは竹村竣の死から、七不思議の真相を紐解いていく。
※ 全40話、約14万字完結済みです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!語りを楽しめるミステリ、劇の好きな方に特に
七不思議と聞けば、少し怖がる気持ちと、ほぼ面白がってわいわい語って楽しむものだと思います、多くの方にとっては。
人が死んでいるという事件が眼の前に起きると、七不思議が急に笑えないものに変化します。バディ的な実鷹(呪い存在派)と蒼雪(否定派)が組んで事件に取り組みますので、軽妙感を楽しめます。
謎があってトリック、という読み方でも素晴らしいと思いますけど、薄闇の中で煌びやかな舞いを見るような、雰囲気のある語りを楽しんで欲しい作品だと私は思います。
個人的には、語りの中で、能楽が現れたり、能のお話が織り交ぜられるのが大変好みでした。
劇が好きな方に特に、
ミステリ愛好の皆様におすすめいた…続きを読む - ★★★ Excellent!!!雨のように浸み込む学園ミステリー
静かにしっとりと、降った雨が土に染みるようなミステリーだと思いました。
学園を舞台にした七不思議といえば、少年少女たちが謎を解明していくのがセオリーですが、この作品は違います。
じわりじわりと七不思議の一つを読者に開示していく。
丁寧に、丁寧に。
始めは、興味本位で触れる学生たちの心境。
中盤は、ハラハラドキドキが待ち受けていて。
終盤の真実は……。
能楽を交えながら謎に迫っていく様は、物語に厚みを加えるどころか、より深く引き込む要素になっています。
故に静かに。そう、静かに進んでいきます。
そして気がつくと、のめり込むこと間違いなし!
是非、最後の解まで読んでほしい作品です。
そして…続きを読む - ★★★ Excellent!!!踊り続ける少女に囃し立てる猿、真犯人に薄く笑うは名探偵!
月波見学園の七不思議を調べると呪い殺される、という噂話がありました。その学園は全寮制でクローズドサークルと言うこともできるでしょう。その学園で七不思議の呪いを信じる実鷹と、七不思議の呪いを否定する蒼雪が出会います。
そんなとき竹村竣が雨の中、階段から落ちて死んだという話を聞きます。竹村竣は七不思議を題材にしようと調べていて、七不思議に呪い殺されたんだと囁かれます。本当に呪い殺された怪異なのでしょうか? それとも人が殺した殺人事件なのでしょうか?
この謎を解き明かす物語です。能楽の知識も交えつつ、七不思議の謎が全てつながるラストは圧巻ですよ!
ぜひお読み頂ければと思います! - ★★★ Excellent!!!ひとでないもので、ひとは己の罪を秘す
七不思議。
学園ミステリー、またはホラーのセオリーでもある「そこにある七つの怪異」。
それを動線に描かれるミステリーといえば、あなたはこれをありがちな物語と捉えるかもしれない。
でもその思い込みをこの作品は、見事なほど容易にするり、と超えてみせる。
七不思議を下敷きにしながら、謎が絡み合う前半、すべてが不気味に合致する後半。それらは能楽の調べに乗って語られるのも、また、瞠目であり、深みを増している。
これから読むひとに、あまり多くは語りたくない。それだけに、正直、この作品の魅力をどう語ればいいか悩む。もどかしくもある。
だけど、ぜひ読んでほしい。
これは本物だ。本物の怪異だ。 - ★★★ Excellent!!!七の不思議が示すは何ぞ
物語内の点が線になり、
繋がり絡み、そして解ける。
ミステリというジャンルの根本的な在り方。
その中に在って、この作品は凄い。
読み進めていくと、
読み通った事がここに繋がるか!
そうかそうか、そうなるのか!
という場面が数多く感じられるはず。
そして最後に向かって一気に畳みかけられる。
非常に綿密に繊細に、かつ大胆に。
全てが練り上げられていると良く分かります。
読み始めたら、終わるまで止まらない。
読み終えたら、すっきりと息を吐ける。
実に実に楽しませられる作品です。
それこそ、普段ミステリを読まない私が、
一気読みするくらいには。
ミステリ?
難しそうだなぁ...。
頭使…続きを読む