ひとでないもので、ひとは己の罪を秘す

七不思議。
学園ミステリー、またはホラーのセオリーでもある「そこにある七つの怪異」。
それを動線に描かれるミステリーといえば、あなたはこれをありがちな物語と捉えるかもしれない。
でもその思い込みをこの作品は、見事なほど容易にするり、と超えてみせる。
七不思議を下敷きにしながら、謎が絡み合う前半、すべてが不気味に合致する後半。それらは能楽の調べに乗って語られるのも、また、瞠目であり、深みを増している。
これから読むひとに、あまり多くは語りたくない。それだけに、正直、この作品の魅力をどう語ればいいか悩む。もどかしくもある。
だけど、ぜひ読んでほしい。
これは本物だ。本物の怪異だ。

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