真っ向から心の「空虚」と「痛み」を見つめ、書く勇気

「男を買う女の子」。そのシュチュエーションだけ取ればこれはセンシティブかつ刺激的な作品と捉えられてしまうのかもしれない。たしかにそれなりの性描写はある。

だけど、この作品の主題はそれではない。もちろん劣情を煽る目的で書かれてもいない。ここにあるのは、人間の「どうしようもない痛み」「それでしか和らげられない渇き」だ。

それにきちんと向き合ってこの作品を書いた筆者を、わたしは讃えたい。