私たち三人は立法組織である。個人である。それ以上に国家である。

「私たち」3人が集まって「国」の設立を宣言する。すなわち立国宣言である。
私は、3人集まったから「古き良き三権分立」を採用するというところにまずときめいた。その発想はなかった。さらに細かい3人の生活(特にセックスについて)の取り決めをし、合法性を問う。様々なきまりをつくる。それは人間同士が暮らすならば極めて当たり前のことなのだけど、そこが「国である」と規定した途端に、なんだかものもしく、よそよそしくなるのはなぜだろう。
人間が国家を作るのか。国家が人間を作るのか。
きまりとはなにか、法律とはなにか。倫理とはなにか。
たくさんのことを問いかけてくる小説でした。
心からおすすめします。