著者様が書かれている通り、ちょっときつい内容かもしれませんが根幹は誰もが感じる心の痛み、悩み、自身の存在理由かと思います。苦しいからこそ抜け出したいと思う。たとえどんな手段を使っても。その在り様な残酷に映るかもしれません。ただ、私はこの作品と主人公の考えに共鳴するところがありました。是非読んで頂きたい作品です。
「男を買う女の子」。そのシュチュエーションだけ取ればこれはセンシティブかつ刺激的な作品と捉えられてしまうのかもしれない。たしかにそれなりの性描写はある。だけど、この作品の主題はそれではない。もちろん劣情を煽る目的で書かれてもいない。ここにあるのは、人間の「どうしようもない痛み」「それでしか和らげられない渇き」だ。それにきちんと向き合ってこの作品を書いた筆者を、わたしは讃えたい。