こちら、「まだ存在しない物語のラストや後日談を書こう」というなんともユニークな自主企画の作品、ということで拝読したのですが、読み終わったとき感じたのは「えええ? これ、本編ないの? 読みたい……」というなんとも言えない感情でした。
というのも、こちらの自主企画、どれだけ読み手の想像力を膨らませられる文が書けているかが勝負だと思うのですが、その作り込みが半端ない。主人公らしきブン屋の菱沼が身潮村とやらでなにに首を突っ込んだのか? 人魚だったヒトミになにがあったのか? と短い文の中で気になる情報がさりげなく詰め込まれていますし(でも説明的でないのがほんとにすごい)、キャラもめちゃくちゃ立っている。
まさに想像力と好奇心を掻き立てる短編に仕上がっていました。
いやもう、ほんとに本編をください。
人魚探偵の活躍の全貌が明かされる日を楽しみにしています……!