船橋の下にて鬼の哭く

橋から飛び降りて自殺した男がいた。原因は恋人とのトラブル。
この世のものではないものが視える晴季は、叔父の誠一郎に現場へ連れて行かれる。
橋には、それらしい霊は見えない。だが、何かがおかしい。
なぜ男の亡霊がそこにいないのか。果たして、その死因は本当に自殺なのか。

誠一郎のもとに身を寄せる吉彰は、『船橋』との関連性を指摘する。

文学、伝承、歴史、地形、人間関係、遺書、持ち物、嘘…
さまざまな観点から見つめた時、絡まった真相は少しずつほぐれ、明らかになっていく。

情念が、悲劇を呼ぶ。
形人心鬼。
それは鬼か、人間か。

平松遼という男が橋の上から身を投げて死んだ。
彼を弔ってほしいと依頼を受けた、亡霊が見える少女香月晴季。彼女は叔父の壱岐誠一郎、そして大学生の住之江吉彰と共に平松遼の死の真相を探っていき……。

描写が細やかで引き込まれてしまう作品です。
謎が絡まり合いますが、真相が判明した時にはギュッと胸が切なくなるでしょう。
読み終わった後の余韻を是非味わってみてください。。
それから、ちょくちょく出て来る食事描写が非常に魅力的でお腹が空いてきます。